内容説明
死を受け止めて、安らかに眠るために。いつ、どこで、誰と、どう人生を終えるかは自分の意思で決められる。ホスピスで患者の魂のケアに携わる著者が綴る生涯の終い方。
ホスピスは死に場所ではなく、「最期までその人がその人らしく生き切るのに寄り添う場所」。
1章 突然の余命宣告 人はどうして生きるのか
2章 自分の順番 人はなぜ死ぬのか
3章 死ぬ時は、一人? 人を赦すにはどうすればよいか
4章 誰だって死ぬのは初めて 死と向き合うにはどうすればよいか
5章 チャプレンとの出会い チャプレンとスピリチュアルケア
6章 ありのままで、生きて死ぬだけ 神様は本当にいるのでしょうか
7章 自分で選ぶ 今からでも間違いを正せるのでしょうか。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
trazom
101
著者は、沖縄で最初のホスピスを開設された理事長。膵臓がんで余命半年を宣告された主人公の物語という形で、死に臨む問題を投げかける。医学の発達で治療の選択肢が増え、終末期ケアに移行する時期が後ろ倒しになり、人生を振り返り、死を受容する機会を逸したまま最期を迎える人が増えている。全人的ケア(身体的、心理的、社会的、霊的)を通じて確乎とした死生観を持つべきであり、牧師である著者からすれば「死の問題の解決にはキリスト教しかない」ということだが、多様な死生観とそれに対応した終末期ケアのあり方があってよいようにも思う。2022/03/22
joyjoy
10
先日読んだ「イワン・イリイチの死」と比べながら読んでしまう。膵臓癌で余命半年から1年と宣告された山城は、自分の死と向き合うなかで、息子たちとの間にあったわだかまりを徐々に解いていく。イリイチの嘘に囲まれた死とはちがう、清々しさのようなものを感じた。ただ、キリスト教的人間観、死生観が近現代のスピリチュアルケアの基になっている、というのは分かるのだが、ほかの宗教の人間観、死生観のもとで迎える素晴らしい(という言葉が適切かどうかは分からないが)死もあるのではないかとも思う。死との向き合い方、まだまだ考える。2024/07/17
ゼンタンくじら
1
すい臓がんで余命半年の宣告を受けた男性の物語。彼は延命治療をせず、死と向き合っていく。 「人生は急に終わることがある。人間は世界の中心にいるような顔をしているが、ほんの些細なことで死んでしまう。そんな当たり前のことはわかっていたのだ。けれど、知らなかった。自分もまたその儚く、些細なことで死ぬ人間なのだということを。」2023/05/11
神谷孝信
0
最近読んだ本の中で最も感動した本で、多くの人々に読んでもらいたい。52022/02/23
-
- 電子書籍
- そしらぬディスタンス (2) バンブー…
-
- 電子書籍
- 負けヒロイン救済計画【タテヨミ】第4話…
-
- 電子書籍
- イタリア式縁結び【分冊】 11巻 ハー…
-
- 電子書籍
- エウリアン桃子(1) ヤングキングコミ…
-
- 電子書籍
- まんがグリム童話 吉原 華の乱 2巻