内容説明
「堪忍してください」
地中から出てきた九つの犬小屋と、「マエダ」と書かれた木片。
見た作業員は突如、発狂し…
「犬小屋」より
記憶の石棺に封印すべき禁忌の怪!
二度と開かぬ石棺に封印するのが相応しいような、重苦しくも忌まわしい体験ばかりを集めた実話怪談集。
どん詰まりに観音開きの扉がある廊下の端にビスケットが供えられた叔母の家。その恐ろしい理由は叔母の体に…「ビスケットかりかり」
駐車場の解体作業中、地中から出てきた9つの犬小屋。直後、作業員らが錯乱し妙な言葉を…「犬小屋」
妹への加虐衝動を抱える姉。ある日見知らぬ老人に蛇が憑いていると言われ、口に手を突っ込まれた姉は…「いじめっこ」
死んだ息子の霊に苛まれる父親。原因は家族関係の根深いところに…「呪い」
他、異色コンビ初の共著にして最高にヘビーな1冊!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
HANA
69
実話怪談集。嫌だ。何かが起こっているのは確かなのにそれが何だかわからない。はっきりわかるのはこれから確実に酷い目に合う事だけ。どの話も分量たっぷりで、個人的には長い怪談は好みではないのだが、この本に限って言えばその長さに見合った濃厚さで痛めつけにかかってくるのも良し。見つけてしまったがために唯々迫ってくる「レインコート」や何が起きたのか想像に委ねる「社宅の駐車場」親切な叔母の秘密「ビスケットかりかり」が中でも白眉。こちらの想像を掻き立てる怪談って押し並べて怖いのだが、本書もその例に漏れませんでした。2022/02/01
あたびー
47
お二人の作品が、見分けがつかない程ぴったり息があっていて、全編が救いのない(褒めてる)怪談集でした!若本さん(の方がたくさん収録されてます)のお作は初めて読んだかもですが、神沼さんの「とんでもなく厭な怪談をする女」という絶賛に違わない佳作揃いでした。「もういいかい」(神沼)数を数える声に続いて「もういいかい」と呼びかけられる恐ろしさに、ひとところで暮らすことも出来なくなっている女性。「犬小屋」家を立てようとした地所の地下から犬小屋のようなものが出てきて、家族がめちゃくちゃになっていく。 2023/06/11
いぼいのしし
32
自宅に得体の知れないものが居るのって嫌だなぁ。2022/03/08
ぐりとぐら
16
すごく嫌な感じの怪談が多くて、面白かった。「アンチコメント」や「ポスター」はちょっと笑ってしまった。生霊かな?「訪問販売」「北の国から」はなんか、不気味な感じが好きだった。「オットさんの石」みたいな因果っぽい話とかもあり、バラエティに富んでいて飽きない。「犬小屋」はすごく嫌だな。全体的に面白かったと思える話が多かった。2022/08/06
流之助
13
サクサクぞわぞわっ。2022/08/09