集英社オレンジ文庫<br> 花に隠す ~私が捨てられなかった私~

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集英社オレンジ文庫
花に隠す ~私が捨てられなかった私~

  • ISBN:9784086804264

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内容説明

その欲望は決して叶えてはいけない――。不倫を続ける夫との生活に疲れた妻は、猛暑を超える暑さをもたらす灼熱の太陽を利用した完全犯罪を思いつく。その夫の不倫相手もまた、自分のものにならない男を手に入れようとして極寒の吹雪の中、男を手にかけた。殺意はまるで季節のように巡る。一線を越えるか、踏みとどまるか――。さまざまな季節に花開く、秘密と欲望を描いた短編集! 咲き誇れ、殺意。

目次

シーズナル・マーダー 夏の章
トゥルー・ラブ
ラストタイム
フェイクパーティー
シーズナル・マーダー 秋の章
オーダーメード
レイニーデイ
アンノウン
シーズナル・マーダー 冬の章
イン・ザ・クローゼット
シーズナル・マーダー 春の章
ムーンライト・エンドロール

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

よっち

37
不倫を続ける夫との生活に疲れ果てた妻は、猛暑を超える暑さをもたらす太陽を利用した完全犯罪を思いつく。様々な季節に花開く秘密と欲望を描いた短編集。マザコンで不倫を止めない夫に疲れ果てて殺意を抱き始める妻、自分のものにならない男を手に入れようとする不倫相手、そして夫に似た息子に執着して妻と不倫相手の双方に冷ややかな眼を向ける夫の母の愛憎劇を軸に、一子相伝の赤い糸と姉妹、逃げ出した男、小説書くことに対する渇望、繰り返しても覆せない彼との結末など、狂おしいまでの複雑な思いに囚われてゆく様子がなかなか印象的でした。2022/01/05

イシカミハサミ

14
感想を文字にするのが難しい作品。 愛。秘め事。 愛に秘め事があるなら何を秘めるのか。 一線を越える。 愛における一線はどこにあるのか。 近年の倫理観は近年に形成されたもの。 元来の一線はもっと遠かった。 ちょっと変わった季節が巡る世界。 現実よりもちょっと死が近しい時、 倫理の一線はまた、ちょっとずれるのかもしれない。 と、ちょっと小難しいことを言ったけれど、 愛をめぐる興味深い短編集です。2022/03/03

ナオ

4
裏の「不倫を続ける夫との生活に疲れた妻は、猛暑を超える灼熱の太陽を利用した完全犯罪を思いつく」に、ドロドロした物語を想像し、手に取りました。しかも短編集ならなおさら。勝手に令和の松本清張かと。物語の最初に季節が6つになって、20年とか獄暑とかで?SF風味でも無いようだし。ただ、その世界観はこの短編集のなかでは共有されていて、作者のこだわりなんだろーなって。クローゼットの中で小説を書く女性と老メイドの話と、一番最後の作品が特に印象深かった。2022/01/13

栗山いなり

3
様々な欲望を基本的にはホラーテイストで描く短編集。 長谷川夕さん版世にも奇妙な物語ってな感じの作品だったと感じた。作中に滲み出る狂気というか欲望が何というか恐ろしかった。そんな中で最後の短編はどこか希望を感じる作品でそれまでの作品達と比べて異質だったんで印象に残った2022/01/16

MAMI.

2
★★★☆☆2023/07/04

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