内容説明
15歳の秋につらい失恋をして以来、貴婦人とかりそめの愛をはぐくんだり、賭けで借金を作って勘当されたりという生活を送っていたシリルは子爵家の三男で23歳。「王都一の色男」と噂されているが、そろそろ将来の身の振り方を考えねばならない年頃。そんな時、割り切った遊び相手である伯爵夫人から、北の大領主ネージュ家が、一人娘ブランシュの結婚相手を選ぶため、名だたる貴公子たちを領地の六花城に招待していることを知らされ、同行しないかと誘われる。雪舞う六花城で、大人の恋と一途な片想いが交錯する。
目次
一章
二章
三章
四章
五章
六章
七章
終章
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
よっち
33
いくつもの浮名を流し王都一の色男と噂されるシリルが、一人娘の結婚相手を選ぶため、貴公子たちを招待している北の大領主ネージュ家の六花城に同行する物語。借金をして父親に実家を追い出され居場所がなくなったシリルと、男装して男として振る舞うブランシュの運命の出会い。期せずして知ってしまういくつかの秘めた想い、そして友としてブランシュと意気投合するシリルがいて、真摯に向き合おうとしてすれ違う皮肉な展開は切なかったですけど、変わろうとするシリルの成長、そして変わらなかった思いの先にあった結末がとても素敵な物語でした。2021/12/17
すがはら
22
こそばゆい。人を好きになったらみっともなくて当然、か。そうだよねー。読んでてムズムズするよー。勝手に思い定めた相手には別の想いがあって…。最後で唐突に素直になったのはびっくりだったけど、とりあえず良かったです。終わってみたら夫人のその後が気になりました。夫が実家の支援をしてるとか言ってたけど大丈夫かな。2022/02/05
ぐっち
19
めちゃめちゃかわいいお話だった!王都一の色男・シリルが六花城で出会ったのは、男装の令嬢ブラン。シリル、ほかの話しなら完全に当て馬キャラだけど?いやこれ大好き。白洲さんのほかの本も積んでるので読もう。2024/09/21
しましまこ
11
こんなかわいらしいお話も。2024/06/29
史
7
チャラチャラ生きている次男坊が、運命と出会い変化し、そして運命と結ばれる。これは人が変わるためのキッカケの物語。求めていなかった変化を、求めるようになって結ばれる。それはまさしくロマンスで、楽しく嬉しくあり。惜しむらくはもっとじっくりじっくり長い付き合いを見せて欲しかったものだけれども、しかし二人の関係は短くても濃いことには変わらないでしょう。なかなか素敵なラブロマンス。面白かった!2022/02/07