集英社新書<br> シングルマザー、その後

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集英社新書
シングルマザー、その後

  • 著者名:黒川祥子【著】
  • 価格 ¥1,012(本体¥920)
  • 集英社(2021/12発売)
  • ポイント 9pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784087211955

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内容説明

雇い止めや学校の一斉休校、家庭内トラブルの増加。
コロナ禍で一層、シングルマザーの生活困難が深刻になっている。
「早く子育てから解放され、自分の人生を謳歌したい」。
だが、将来を夢見て耐え忍ぶ彼女たちを待つのは、一層苛酷な現実だった……。
子どもを何とか自立させたものの、雇用や社会保障から見放された双肩には老親の介護がのしかかる。
調停マニアの前夫と戦う女性やセックスワーカーなど、国から見放された女性たちの痛切な叫びに耳を傾け、制度の不作為を告発するルポルタージュ。

目次

はじめに
第一章 子育ての後に、待っていたもの
第二章 一九八五年──女性の貧困元年
インタビュー 一九八〇年代以降の無策がシングルマザーを苦しめている 宮本みち子(千葉大学・放送大学名誉教授)
第三章 老後などない
インタビュー 福祉は恵んであげるもの、という誤解 神原文子(社会学者)
第四章 世界はシングルマザーをどう見ているのか  ──フランスと韓国の場合
インタビュー 日本のシングルマザーはなぜ、ワーキングプア状態に陥るのか 畠山勝太(比較教育行財政/国際教育開発専門)
おわりに
参考文献

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

とよぽん

59
この本を読んで、自分の認識がまだまだ甘かったと思い知らされた。黒川さんが自らもシングルマザー当事者として出産から子育て、仕事など幾多の困難を超えて現在に至る過程を書いていらっしゃることが衝撃的だった。さらに、取材に応じた6人のシングルマザーの話、専門家の話、フランスや韓国のシングルマザーの実態なども述べながら、日本の社会制度の不作為を告発する黒川さん。女性の貧困元年と呼ぶべき年が、あの男女雇用機会均等法施行の1985年だったとは!!! はじめから終わりまで、驚きと怒りと絶望が怒濤のように読者を襲う。2022/04/16

とよぽん

53
シングルマザーの支援をするNPO法人で活動のお手伝いをしているので、生活の実態や日本の補助制度を確認。子育て中も、働けど働けど困窮状態なのに、子育てが終わってからもシングルの女性の暮らしは一向に楽にならない。この国は女性に対してとことん冷たいということだ。教育によって貧困の連鎖を断つ、それが長い目で見れば有効なのか・・・。2022/09/15

katoyann

21
6人のシングルマザーへのインタビュー取材をもとにシングルマザーの生活苦の実態に迫り、その要因について分析したルポ。ひとり親世帯の貧困率は50%に及び、母子世帯の意識調査では86%が生活苦を訴えているという。事例としては生活を成り立たせるためにクレジットカードのキャッシングにより借金が嵩み、債務整理を余儀なくされる女性が印象に残った。日本は先進国で1番と言って良いほど養育費が支払われておらず、国が代理で徴収または支払う制度を設けなければ母子世帯の貧困は解決しない。児童扶養手当も含め、政策課題は山積みだ。2024/01/27

まゆまゆ

19
約半分が相対的貧困を強いられているシングルマザーの実態を描くルポ。子どもが18歳になると給付等支援が打ち切られる福祉の制度によってますます貧しくなる。そもそも国の制度は女性が自立して生計をたてることを想定していないことは、3号被保険者や配偶者控除の制度をみても明らか。結局、女性ひとりで子どもを育てている人を国は一人の人間として見ていない、との強烈な指摘には口を閉ざすしかできない……2022/04/12

ぐっち

17
シングルマザーとその子供たちの貧困が気になって読んでみた。6人の体験談をもとに話されているが、どの方も高校無償化以前の方なので、今だと保育料や高校の学費でだいぶ補助されてるはずなのでちょっと話が古いかも。それに、首都圏で子供2~3人高校も大学も私立だったら、共働きでもかっつかつもしくは厳しいことも多いのでは?もっとシングルマザーに限った客観的な展開だとよかった。2022/08/25

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