内容説明
千年を超えるロングセラーにして日本古典文学の最高峰の『源氏物語』全54帖をかんたんにたのしく読み通せる
「一度読んでみたかった」「途中で挫折した」「学生時代に一度読んだ気がする」……。こうした読者のかたがたもわかりやすい文章とイラストで楽しく通読できます。原文のストーリーの流れに沿ってまとめているので、読後の達成感が得られる一冊です。
本書のポイント
●大きな文字で、漢字は多めのふりがな付きの読みやすい紙面です。
●『源氏物語』講座のベテラン講師である著者が、あらすじでは省略されてしまうドラマティックなエピソードを盛り込みつつ、全54帖を36項目にギュッと凝縮。背景がよくわかる解説付きです。
●各項目の印象的な場面を描いた美しいフルカラーのイラストとともに楽しめます。
●「声に出して読んでみたいいにしえの文」では古典原文の一部を、格調高い谷崎潤一郎訳付きでご紹介。やまと言葉を実際に読んでみることで、古典文学の雅さを一層感じられます。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
はるま
16
初読作家 著者は日本近代文学の研究家でもあり、谷崎潤一郎研究家としても著名な方で、現在も精力的に活動をされているとのことで、その正統派は書かれた渾身の本作が面白くない訳がないじゃないですかね 僕自身もこれまでも意訳本やその類を読み漁ってましたが、ちょっぴり久々に読みました 言わずと知れた千年の時空を超える壮大な物語です 「不易流行という言葉があるでしょう。これは松尾芭蕉の言葉ですが、『源氏物語』には、それが全部書かれています。」〜巻頭文の一部編集しての引用 いやぁ ほんとに面白かったな 光源氏に憧れますね2023/10/22
もえ
14
友人にお薦めされ読了。著者のたつみ都志先生のオンライン講演を視聴する前の予習本としても、とても参考になった。源氏物語は大学時代に国文科の授業で断片的に習ったが、全編を通して読んだことはなく(谷崎潤一郎の訳本も途中で挫折)、本書を読むことで初めて大まかなあらすじと人間関係が掴めた。「還暦になったら『源氏物語』を読みましょう!」というたつみ先生の呼びかけの通り、源氏物語は歳を重ねてからこそ分かる、人生の機微と因果応報と儚さが詰まっている。この本には各章毎に原文と谷崎訳もあり、学生時代を思い出し懐かしく読んだ。2023/03/18
ず〜みん
4
光源氏の主な女人達と出来事を初心者でもわかるように噛み砕いて書いており、しかも和歌を挟んでいるので、どの巻の説明をしたかわかりやすい。ちなみに藤壺はそこまで詳しく書かれていない。2023/06/16
ますぞう
2
光源氏の三世代にわたるなが〜い物語をざっと知るにはちょうど良いボリュームと内容で楽しめた。光源氏の恋愛模様だけではなかったのね…。巻末の人物相関図も分かりやすく、画像にして保存。随分前に宇治の源氏物語ミュージアムになんとなく寄ったが、改めて行ってみたくなりました。今度はしっかり楽しめそう。2024/03/01