内容説明
埼玉で二歳の子を含む一家三人を惨殺し、死刑判決を受けている少年死刑囚が脱獄した! 東京オリンピック施設の工事現場、スキー場の旅館の住み込みバイト、新興宗教の説教会、人手不足に喘ぐグループホーム……。様々な場所で潜伏生活を送りながら捜査の手を逃れ、必死に逃亡を続ける彼の目的は? その逃避行の日々とは? 映像化で話題沸騰の注目作!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
青乃108号
651
この本のあまりの分厚さに、最初は読みきれる自信がなかった。しかし読み始めるとすぐに引き込まれた。ここ数日、自分は不慣れな日勤シフトが続いており大変しんどかったのだが、帰ってこの本の続きが読める事が楽しみで頑張った。まずとても読みやすい文章で、かつ表現も巧みであり、構成も優れている。登場人物も多く、枝葉のエピソードも多いがそれぞれに無駄なく計算され尽くした作りに唸らされる事しきりだった。これほど終わらないで欲しい、ずっと読んでいたいと思った本は他には無い。結末には心が震えて言葉もない。素晴らしかった。2023/10/09
ちくわ
487
電子書籍を買おうと思案中、確かゲオにDVDがあったな…と思い、映画の原作を読んでみる。感想…まさに映画。スリルという高級食材を疾走感で上手く味付けし、箸が止まらなくなる巧みな構成で振舞ってくる贅沢なコース料理だった。満腹である。この手のフィクションは確かに感情をド突き回すが、若干現実味に欠けるところが自分には映画っぽく感じてしまった。ところが、おそらく本作の元ネタの一つになっているであろう市橋達也の逃避行は現実の話である。フィクションとは言えどもベースはノンフィクションなんだろうな…と思わせた作品でした。2026/05/22
ゆきこっち
461
2歳の男の子とその両親を惨殺して死刑判決を受けた「鏑木」が脱獄して逃亡する話。さあやさんとのハッピーエンドを願いながら読みました。悲しい…。でも鏑木のために冤罪を信じて動いてくれた人がいた事に少し救われた。2023/12/16
chinayo
430
面白いとは聞いていたが、週末に時間を忘れて一気読み。初作家さん。逃亡する死刑囚にこんなにも皆が惹かれていくという筋と、彼と出会う人々たちの環境や人間性の描き方が見事。結末もこれでいいと思う。2023/03/05
Kanonlicht
393
脱獄した少年死刑囚と、そうとは知らず彼と一時的に交流した人々の物語。読み始めて間もなく、犯人の生真面目で正直な性格が明らかになり、本当に罪を犯したのか、なぜ逃亡を図ったのかという謎が提示される。主役を脱獄犯ではなく、道々で知り合う第三者にしたのがいい。それぞれに悩みを抱えた彼、彼女たちの再生の物語に心が揺さぶられる。各章のラストシーンが次の章のオープニングに映像的にリンクするさまも素敵。個人的には警察側のストーリーも知りたかった。最後は号泣必至。2024/08/31




