内容説明
確率解析の理論や研究は,1970年代以降に目覚ましい発展を遂げ,その結果の一つとしてのランダム性のあるビッグデータとその技術は,まさにいま私たちの生活を変えつつある。今にち,偶然数学の手法としての確率解析の学習はますます重要になっている。
本書は,確率解析の基本,確率微分方程式の要点を「なるほど」と納得できるまでとことん説明した解説書である。内容はまず,確率の基礎概念の説明から始まり,確率変数・確率過程をしっかりと掴んだうえで,ブラウン運動に関する確率積分,そして確率微分方程式の基礎と応用までを解説する。
構成の特長として,基本概念の説明の後に提示される,書籍全体で200題ほどの例題や章末問題の全てに対して詳解をつけ,要点の確認と反復練習を徹底的に行なうことで,測度論やルベーグ積分を習得していない初学者にも学びやすいようにまとめられている。
目次
第1章 標本空間と確率
第2章 確率変数と分布
第3章 確率過程からの準備
第4章 ブラウン運動
第5章 確率積分
第6章 確率微分方程式
第7章 確率微分方程式と拡散過程
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
げんき
1
良い点:測度論を全く知らない状態から確率微分方程式に関する基本事項まで比較的誤魔化しなく到達できる(そういう教科書は少ない)。 悪い点: ・少し難しい命題の証明は省略されがち ・式変形が丁寧すぎて煩瑣で見通しが悪いと感じる箇所も多い。以前示した命題から明らかな事実をもう一度(特に理由もなく)計算している箇所が多い。 ・7章はこの記述だけでは表面的にしか理解できない。拡散過程との対応を知りたいのなら別の本を読んだほうが良い。 ・具体例を重視した記述のため1冊目には良い。あとから参照するには向かない。2021/02/18
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