内容説明
裏切り、怨念、なんのその! 「怪談牡丹灯籠」を生んだ近代落語の祖・三遊亭圓朝。精魂こめて仕込んだネタを師匠に奪われ、愛弟子に裏切られ、息子はスリで逮捕……壮絶な芸道を駆け抜け怪物となった圓朝は、「真景累ヶ淵」「死神」と数多の名作を生み出していく。不屈の魂に燃えた〈大圓朝〉の知られざる迫力の一代記。〈解説〉中江有里
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ユメ
12
「近代落語の祖」とも称される三遊亭圓朝の生涯がこうも波瀾に満ちていたなんて、初めて知った。才能をやっかんだ師匠には高座で嫌がらせをされ、弟子には手酷く裏切られ、息子は掏摸で逮捕される。そして時代は江戸から明治へ移り、文明開化を進めたい新政府は落語の内容にも口を出してくる。だが、それでも圓朝は挫けず名作を生み出し続ける。奥山景布子さんの筆が描き出すその生き様には、凄味すら感じられる。創作をたゆまず続けられるというのは、才能であると同時に、一種の業でもあるのかもしれないと考えさせられた。2025/08/17
keisuke
3
多分はじめての作家。面白かった。2022/02/19
an
2
落語の始まりを読んだ気持ちになる。師匠に嫌がらせをされたら創作落語をし、鳴物をやってみたりと時代と共に変わっていった様子が興味深い。2023/02/21
まりこ
1
前半の方が面白かった。師匠からの嫌がらせ。何か理由があったのか。噺はどうも興味がなかった。2023/05/10
Hotshoes
1
彼は何を成し、何を成せなかったか。 芸に殉じるのは至高だが、その世界に殉じるのは不幸。 これは、どの世界にも言えることである。 彼の生んだ噺が評価され、後世に残ったこともまた皮肉。2022/08/14




