中公文庫<br> 日曜日/蜻蛉 生きものと子どもの小品集

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中公文庫
日曜日/蜻蛉 生きものと子どもの小品集

  • 著者名:志賀直哉【著】
  • 価格 ¥946(本体¥860)
  • 中央公論新社(2021/12発売)
  • ポイント 8pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784122071544

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内容説明

〝小説の神様〟志賀直哉は、生きものや子どもを好んで書いた。写実に徹した描写が何気ない小さな姿に新鮮な輪郭を与え、世代を問わず親しめる普遍的な名品となって多く生み出された。それらの短篇を集めた『日曜日』『蜻蛉』を合本とし二十四篇を収録。巻末に網野菊「先生と生きもの」を付す。〈解説〉阿部公彦


目次

日曜日
 子供の読者に
 日曜日
 清兵衛とひょうたん
 ある朝
 菜の花と小娘
 クマ
 ジイドと水戸黄門
 池の縁
 子供三題
 犬
 鬼
 出来事
 小僧の神様
 雪の遠足
 台風
 母の死と新しい母

蜻蛉
 序
 蜻蛉
 家守
 城の崎にて
 濠端の住まい
 百舌
 馬と木賊
 虫と鳥
 兎
 玄人素人

付録
  先生と生きもの  網野菊

  解 説  阿部公彦

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

たぬ

17
☆3.5 全24編の中には「清兵衛とひょうたん」「小僧の神様」「城の崎にて」の有名短編御三家も含まれています。しかし作者本人が「子供向けではない、自分が書きたくて書いた」旨の断りをしているように、同時に複数は飼えないから(現在飼っている)七面鳥は殺しておかずにしたとか、娘に兎を飼いたいと言われると大きくなったら食べることになるよと応じるとか、志賀直哉の意外な一面を知ってしまった感。ペットは可愛いけど食材でもあると割り切っていたのかな。(続く)2025/12/14

りんだりん

16
小さな頃縁側に座って、蟻が虫の死骸に群がり、踏み石の下に作っている巣に向って真っ直ぐに列をなして戦利品を持ち帰っている姿を飽きもせずにずっと眺めていたのを思い出す。そして、台所から砂糖粒を持ってきて「さあ、今日は宴だぞ」とばからりに巣の近くにこんもり盛って、今度はその砂糖に群がる蟻をみて一人悦に入っていたことも。 大人になるとそういう機会が失われる。いや、本当は目の前に転がっているのだが、それに気づいたり、立ち止まったりする余裕がないのだろう。 この小説はそれに近いことを追体験させてもらえる。★42022/02/14

とむ

6
初めての志賀直哉作品。どこかのまちのどこかの誰かのとある日を切り取ってみつめてるような短編集だった。(武者小路と具体的に固有名詞が登場してきたりして、エッセイなのかと思えるものもあった)文章はとても読みやすい。教訓なのかなと思える作品もいくつかあって楽しめた。『くま』『家守』がよかったかも。あとひょうたんのやつも面白い、好き。時間に余裕があるときにまた読み返したい。できればいつか城崎で。2025/07/16

門哉 彗遙

5
志賀直哉の周りにはいつもいきものが溢れている。蟋蟀、蝗、蟷螂、蛇、鼠、雀、山鳩、百舌鳥、栗鼠、兎、猫、犬、熊たちをすぐに手懐けてしまう。といっても芸を仕込むわけでもなく、彼の周囲で自由に自然にさせているだけで、決して固執することもなく、去る者は追わず、いや去る生き物は追わずという感じだ。まるで手塚マンガに出てくるみたいな人だ。この本にたくさんの生き物が出てくる。2025/03/27

katashin86

4
城崎温泉で「城の崎にて」を読みたくて、ほぼ再読と知りつつこちらの短編集を改めて購入。自分の子供のことを描いた小品がならんだあと、自分の子ども時代を回想する「母の死と新しい母」が強く印象に残った。2023/04/09

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