内容説明
山田詠美がコロナ禍を綴る最新傑作エッセイ。
山田詠美さんは本書について「あとがきに代えて」でこう綴っています。
≪この本では、新型コロナの感染が拡大する中でのあれこれを綴りました。と、同時に、日々の取るに足りない、けれども、私にとっての大事なトピックスも取り上げています。そこから生まれる喜怒哀楽は、大きなものでも些細なものでも、確実に私の一部を形作っている。大切な大切な欠片たち。≫
「言葉の小姑」を自認する著者の「怒り」は、想像力の欠片もない、安易に使われる言葉に向かいます。コロナ禍において跋扈した「東京アラート」や「特別な夏」「おうち」、さらには「コロナ禍」も俎上に載せ、「その言い回し、許さん!」と筆を揮うエッセイには胸がすくこと請け合いです。
もちろん美味しい食べものやお酒、夫婦での散歩など、不要不急の愉しい日常についてもたっぷりと!
女性セブンの大人気連載「日々甘露苦露」から、傑作エッセイ100編を厳選。前作『吉祥寺デイズ うまうま食べもの・うしうしゴシップ』(小学館文庫)に続いて、「親愛なる読者の皆さんへ(あとがきに代えて)」は謹製原稿用紙に綴った直筆です。そちらもぜひお楽しみに!
(底本 2021年12月発行作品)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
215
山田 詠美は、新作中心に読んでいる作家です。女性セブン連載「日々甘露苦露」からのエッセイ第二弾です。半分がコロナ禍で、著者は、ほとんど怒ってました(笑) マイルス・デイビスがアーストン・ボラージュ(学生時代、私が一番好きだったブランド)を着ていたとは知りませんでした(驚) https://ameblo.jp/cutting-edge-music/entry-10189754817.html https://www.shogakukan.co.jp/books/093965532022/02/03
ぶんこ
61
久しぶりの詠美さんでしたが、面白い。人生を楽しまれているのが読んでいて気持ちいい。特に共感したのが「食の安全ヒステリー」と「言葉尻番長」。さすが作家さん。そして芥川賞の選考委員をされていらしたのが驚きでしたが、実に真摯に取り組まれているのにも改めて感動しました。2023/01/05
よこたん
52
“あなたにとってのくだらないものが、他の人には大事なのかもしれないという思いに至らない。そんな光景にたびたび出くわします。他者への想像力が働かないんだよね。” 詠美さんのエッセイ。言葉を正しく用いないことへの怒りや、発した言葉に責任を持たないエライ人への怒りが炸裂。そこへ割って入るコロナ禍下のアレコレ。「女性セブン」に掲載とあって、ウンウン頷く内容(笑) K池知事、K泉S次郎議員…はあぁ。そこまで容赦なく書いて大丈夫だったのかな。「クリープを入れないコーヒーなんて」「違いが分かる男」が懐かしすぎる。2022/03/27
のり
32
高校時代には刺激的な小説でドキドキさせてくれたエイミー姉さんのエッセイ。コロナ禍下での東京の生活や、旦那さんとの平和な日常、政治家や最近のメディア報道へのツッコミなど、言葉尻番長の舌が冴えてて、楽しませてもらった🎵文中にちょこちょこ出てきた本も読みたくなって、またまた読みたい本増えちゃったわ。2022/03/07
チャッピー
32
エッセイ。時にちょっと毒を含んで語られる言葉の使い方についてのツッコミが、言われてみればなるほどだった。2022/02/23