日本経済新聞出版<br> アフター・メルケル 「最強」の次にあるもの

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日本経済新聞出版
アフター・メルケル 「最強」の次にあるもの

  • 著者名:唐鎌大輔【著】
  • 価格 ¥2,640(本体¥2,400)
  • 日経BP(2021/12発売)
  • ポイント 24pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784532359096

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内容説明

16年にわたる「女帝」の政治が遺したものは、「一強の経済」と「負の遺産」だった。
    世界が混迷を深めるなか、新政権率いる“欧州の巨人”はどこに向かうのか?
             そして日本は何を学ぶのか?

 本書は、日本を代表するマーケット・エコノミストの1人で、長く欧州を見てきた筆者が、メルケル引退をドイツという一国家のみならず、EU史における1つの節目と捉え、過去を総括し、現状を整理した上で、未来を展望するもの。

 「欧州の病人」と呼ばれたドイツ。シュレーダー政権は、労働市場に切り込む抜本的な改革により経済の立て直しを進め、次のメルケル政権にしっかりその果実を引き渡した。その後、メルケルは16年にわたりドイツを、そしてEUを代表する政治リーダ―として君臨。この間に、ドイツ経済はEU(ユーロ)という枠組みにも守られながら輝きを取り戻し、メルケルは世界にその存在感を示し続けた。しかし、その裏側では、欧州難民問題に象徴されるEU内での孤立化、米国(トランプ政権)との微妙な軋轢、中国との接近など、その将来を危うくしかねない様々な芽を生み出してきたのも事実だ。

 いったいメルケル政権は、次の時代に向けて何を遺したのか? それは果実か、それとも負債か? そしてドイツ経済の復活に、日本は何を学べるのか?
 まさにショルツ新政権が発足したこのタイミングで、「メルケルなきドイツ」「メルケルなきEU」を展望し、英国離脱で岐路に立たされているEUにも鋭く切り込む。

目次

第1章 【現在】メルケル時代の総括――4つの次元における整理
  1 域内:「看守」ドイツの誕生。ユーロ圏は「監獄」化
  2 域外:世界にも「友人」が乏しそう

第2章 【現在】ドイツ一強がもたらす「歪」
  1 経済の「歪」
  2 政治の「歪」:無制限難民受け入れがもたらしたもの
  3 ドイツ国内でも広がっている格差

第3章 【過去】「病人」は如何にして復活したか
  1 「欧州の病人」への処方箋:シュレーダー改革
  2 メルケル政権を支えた「追い風」

第4章 【未来】アフター・メルケル時代のドイツはどこへ
  1 「メルケルの果実」か「メルケルの負債」か
  2 アフター・メルケル時代に期待されるドイツの「改心」

第5章 【補論】日本はドイツから何を学ぶべきなのか
  1 ドイツにあって日本にないもの――6つの違い
  2 日本は何を学べるのか

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

スプリント

11
メルケル大統領は評価が分かれる人物ですね。 EU内のドイツに地位を確立した功績はあれどもEU内で孤立したともいえる。 親中政策が政権が変わりどうなることやら。2022/02/01

Stevie G

4
著者には、朝の経済ニュース番組の欧州経済の解説でいつも教えて頂いています。有難うございます。EU離脱のイギリスの騒ぎの陰で、最近ドイツって何をしているのだっけ、と思っていた時のタイムリーな著作でした。しかし、この作品が出たとたんに、ロシアのウクライナ侵攻で、あまり触れられていない対ロシア関係やエネルギー問題が、シュルツ首相の双肩に突然のしかかることになりました。特にドイツを応援しているわけではありませんが、発言力などでも、英仏などをもう少し諫める役割を果たすポーズくらいはとっても良いような気もします。2022/07/12

ゼロ投資大学

3
メルケルは16年もの長きに渡って欧州の盟主であるドイツの首相として君臨した。メルケル政権を強固にした要因は3つある。シュレーダー改革・欧州債務危機での債権国の地位の確立・永遠の割安通貨の恩恵を享受したことの3つが挙げられる。特にシュレーダー改革によって労働力が安定的に供給されたことは、その後のドイツの発展をより確かなものにした。欧州債務危機・欧州難民危機・パンデミック危機など数々の問題に見舞われながらも長期政権を築き上げたのは、経済財政が盤石の安定感を保っていたからである。2024/08/19

takao

2
ふむ2024/06/15

ahwai55555

2
同じ著者の『「強い円」はどこへ行ったのか』を読んでドイツに関する記述が光っていたと感じて、さかのぼって本書を読んだところ、緻密な構成と精緻な分析の素晴らしい本でした。ドイツ経済の好調さは、シュレーダー政権時代の痛みを伴う改革と永遠の割安通貨ユーロに支えられたもので、その一方でEU内における微妙な立ち位置と悩みが良くわかりました。ドイツからすでに数十年遅れた中で、仮に日本が同様な改革を断行したとしても巻き返すのは難しいかもしれない。2022/12/24

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