内容説明
「人が眉毛を抜くときの顔ってなんともいえないよね」と日常を切り取る天才だった清少納言は、歌道の家に生まれ、「私はあえて歌なんか詠まない」と宣言し、随筆で結果を残したロックな女だった――。
『枕草子』の清少納言、『紫式部日記』の紫式部、『和泉式部日記』の和泉式部、『蜻蛉日記』の藤原道綱母、『更級日記』の菅原孝標女。今から1000年以上前に生きた女性たちは、一体どんな悩みを抱え、どのような恋愛をし、いかなる人生を送ったのだろう? 日記や随筆などの作品を読み解けば、彼女たちの性格が手にとるように見えてくる!
【誰とガールズトークしてみたい?】
「あるある」の元祖、女子に人気のリア充 清少納言
ねっとり濃厚な性質、内に秘めるタイプ 紫式部
負けず嫌いな“出家してやる詐欺”美女 藤原道綱母
平安の“中二病”夢みる物語オタク 菅原孝標女
モテと才能に恵まれるも、なぜか不幸体質 和泉式部
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
rico
76
清少納言、紫式部、藤原道綱母、菅原孝標女、和泉式部。酒井さんのおしゃべりしてるような語り口が楽しく、そうそう、あの人ってね、なんて盛り上がれる。大河を見てきたこともあり、千年の時を超えて彼女たちのことがとても身近に感じられます。女性は名前も残らないような時代に、長く読み継がれる作品を残した彼女たちは、キャラの違いはあれど、それぞれ何者かでありたいという強い想いとそれを実現する力を持っていたのでしょう。中産階級出身で地方暮らしの経験ありという共通点も興味深い。ここに赤染衛門も加われば最強。平安女子、万歳!2024/11/25
saga
57
ドナルド・キーン著『百代の過客』を読了後、本書を読み、その考察の違いが男女差にあるのか、はたまた研究者視点によるものなのか悩むところだが、著者のいう「この人とは、仲良くなれる!」との視座から書かれた本書も楽しかった。明るい承認欲求(清少納言)、秘めたる承認欲求(紫式部)、子離れできない(道綱母)、夢見る不幸自慢(孝標女)、恋愛体質(和泉式部)と、平安という同時代に活躍した女流作家のバラエティに富んだ個性を知ることができた。2025/03/11
どぶねずみ
49
今年度の大河ドラマの予復習になった。本書は著者が紫式部や清少納言、菅原孝標女、藤原道綱母、和泉式部に対してかなり親しい間柄のような女性目線で書かれたエッセイなので、古典文学への苦手意識が払拭できない私には和歌がとても身近に感じるようになった。社会がどう変化しようとも女性の意識は今と変わらないんだなぁと思わせるところにぐっと心を持っていかれた。『光る君へ』は面白く鑑賞しているけど、予備知識が薄いために物語の進捗と同時に自分の理解が追い付かなくて苦労していたので、そういう意味でも本書は私にはとても役に立った。2024/05/25
ベローチェのひととき
35
妻から廻って来た本。5編からなる短編集。平安時代の5人の女流作家、清少納言、紫式部、藤原道綱母、菅原孝標女、和泉式部に関してそれぞれの作品からそれぞれの性格について考察し、現在に居たならばどんな感じの女性か想像しているエッセイ。昨年の大河ドラマ光る君へを観ていたおかげで他の登場人物の相関関係に悩まされることなく読み終えることができた。面白かったです。2025/04/15
のんちゃん
33
お気に入りさんが読まれていて面白そうだったので読んだ。平安時代の女性作家5人に焦点を当て、彼女達の作品からその性格を読み取る内容となっている。高校生の時、万葉集を読み、万葉集の時代に生きた人々の心情が、現代人と全く変わらない事に凄く驚き感銘すら受けた事があった。本書で著者は同じ事を平安女性作家にも感じている。そう、時代は変われど嫉妬や羨望、承認欲求や震えるほどの哀しみや喜びなど等、人の気持ちなんて同じなのだ。そんな事を再確認した読書だった。私はこの5人の中では、紫式部タイプだと思うが、和泉式部に憧れる😆2025/04/08
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