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内容説明
「私が生きている意味はあるのだろうか」――私たちがふと抱える心のむなしさの正体はいったい何なのか。
代表作『夜と霧』に記された、苛酷なナチスの強制収容所生活を耐え抜いたフランクルの抱いた希望とは何だったのか。
彼が生涯をかけて積み上げた知見を、心理学者でカウンセラーでもある諸富祥彦が丁寧に紐解く。諸領域での実践法も紹介。
「あなたが人生に絶望しても、人生があなたを見放すことはない」とあなたの心に力強く説く、希望の書。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
さゆ@俳句集販売中
163
フランクル心理学においては、人生が自分に何を求めているかに気づくことが大事だという。アドラーの目的論は自分から未来へ目を向けるが、フランクルは未来が自分に何を求めているかに目を向ける。またそれは、ユダヤ教的な逆境を神の試練ととらえることに近いようにも思える。私としては、人間は死にたいと思っても心臓は止まらない、そのことには意味や使命があると考えるのが大事と感じられた。2024/04/19
ホシ
26
(※宗教話アリ。苦手な方はスルーを)私の生涯の書『夜と霧』。著者・ビクトール・フランクルの思想を紐解きます。「生きる意味」は私が問うものではなく、超越的な〈何か〉に「問われている」と知ること。フランクル心理学を私はこう理解しました。本書でも少しだけ言及されますが、フランクルの思想は実に親鸞思想と酷似します。聖人は「帰命」を「弥陀の勅命」と捉えました。仏の「必ず救う」という呼び声に私は如何に向き合うべきか…。そこに報恩謝徳という姿が立ち上がります。これこそが虚無(無明)を破る一筋の光たりうると思うのです。2022/01/29
テツ
19
大戦中に強制収容所で家族を全て失い生き残ったフランクルは「何故、自分が」という思いと「この人生にどんな意味があるのか」という問いと生涯添い遂げた。彼の生涯をかけて見出そうとした人生の意味と諦観と絡み合うような自己肯定の形には、安穏と暮らすボンボンどもの薄っぺらい思想が連ねられた自己啓発本とは根本から湧き上がる力が違う。どれだけぼくが人生に絶望しようとも人生がぼくに絶望することはない。人生を歩む途上で何かに打ち砕かれたときにフランクルの言葉がようやく真の意味で胸に蘇り、そしてそこからやっと真の人生が始まる。2022/10/11
Go Extreme
4
フランクルってどんな人ーフランクルの生涯とエピソード: アドラーとの出会いと別離 フランクルと宗教 収容所以降のフランクル フランクル心理学で「生きる意味」を発見する: 実存的空虚 幸福のパラドックス 意味への意志 三つの価値領域 すべては意味を持つか ライフサイクルの諸問題とフランクル心理学 フランクルの人問観: 還元主義批判と人間中心主義批判 還元主義とニヒリズム カウンセリング・心理療法としてのフランクル心理学: ロゴセラピーと実存分析の異同 主要著作とその概要ーもっとフランクルを知りたい人のために2022/01/22
もりちゃん
3
フランクルをもっと知りたくて手に取る。まだきちんと理解はできていないけど、まずは自分の力を信じて生きることなのだと思う。2022/02/07