内容説明
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この奇妙な数のことを、人類はどこまで理解しているのかーー。
●悪徳高利貸が1年を無限に分割して瞬間ごとに利子をとると、元利合計はどうなる?
●当たる確率が1/nのくじをn回引いたとき、それでも全部はずれる確率は?
●「理想の結婚相手と結婚できる戦略」を用いたとき、理想の相手と結婚できる確率は?
「やつ」はどうして、こんなにあちこちに顔を出すのか?
はるか昔から、洋の東西を問わず、不思議な性質をもつその数は知る人ぞ知る存在だった。
やがて天才オイラーがその数の本質を見抜き、「宝石」ともいわれる奇跡的な数式を完成させた!
人類がほとんど何もわかっていない超越数のなかで「π」とともにかろうじて知られてきた「e」、
指数関数から複雑系にまで存在感を示し、代数と幾何の垣根さえも軽々と超えてしまう、
その摩訶不思議な魅力を堪能して、数学の面白さを再発見しよう!
本書の目次
第1章 人間の脳を裏切る指数関数
第2章 高利貸の究極の夢
第3章 eが登場する3題噺
第4章 e^xの微分
第5章 この世では見えない愛の絆
第6章 数学界の5人の戦士
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
nbhd
21
表紙を見る限り、「e」はだいぶと陽キャだ。去年、人生で初めて「e」と出会ったのだが、ざんねん、「e」を掴めぬまま新年を迎えた。世界の原理「e」についての本、その実は「オイラーの公式」の概説書の一種だ。そもそも「e」とは何か。著者は、ノーベル物理学賞の朝永さんの言葉を引いて、ざっくり次のように書く→「e」っていうのは、つまり「オイラーの公式」で示される数学的事実である、だから、受け入れよ!…ともかく「オイラーの公式」の導出は、数学的スタミナの維持になるので、いつでも導出できるような2022年にしたい。2021/12/26
coldsurgeon
4
ネイピア数あるいはオイラー数と呼ばれる「e」に関する話である。πとともに超越数と呼ばれ、実数のほとんどを超越数が占めている事実に驚かされる。「1年を無限に分割して各瞬間に利子を取る」とどうなるかというルネサンス期の妄想から、「e」へ至る道が開かれたようだ。世の中に複雑系が知られるようになり、世界の動きが複雑系で動いているだろうということは現代人として、心に刻み込んでいかなくてはならないが、そこにも「e」が頻繁に登場するらしい。世界は超越数に満ち溢れいるのだろうと思う、知られているのは2種類だけ。2022/02/19
す○○
3
つい先日まで知らなかったe(ネイピア数)を是非とも理解したく読み始めた。ほどなく登場する数式は理解を超え、さらに文章もついていけなくなったが、2+3=5は理解できる(p161)ので文句を言わず最後まで読みきった。eのスゴさを理解したとは言えないがeが人智を超越する真理を宿した恐るべき存在なんだろうなという気はする。いつの日か複雑系の知識を身につけて再読したい。2023/01/19
ハム太郎
2
eについてのマニアックなうんちくを期待していたが,導入的な本だった.序盤は,攪乱順列や恋人選択問題など面白い話題があったが,中盤は e についてのスタンダードな内容,最後はほとんど関係ない複雑系についての熱いエッセイという謎の締め方.著者はプロの数学者ではないということもあり,ところどころ数学的な間違いがあるので注意(代数関数の定義や三元数の議論など).2022/03/06
呼吸器内科医K
2
22-041★★★★☆eの奥深さを堪能できた!著者の文学的教養も素晴らしく、要所に挟まる引用や小噺が楽しかった!2022/02/13