内容説明
本書は「怒れない人」のためのアンガーマネジメント本です。
怒りの感情をコントロールするために米国でうまれたアンガーマネジメントでは、「怒れない」こともきわめて重要な状況・症状として捉えます。必要な時に正しく怒り、不必要な時には怒らないためのトレーニングがアンガーマネジメントです。怒りは生き物が持つ、ごく自然な防衛感情です。あなたの人生をより良く、実り多きものにするために、怒りは絶対に必要な感情なのです。
世の中を見れば老若男女を問わず、直接自分には関係のないことに対してまで怒っている人がたくさんいます。けれど、その影で声を上げずに我慢している人も多くいます。正しく怒れない人の特徴はおおよそ7つに分けられます。本書ではタイプごとに解消すべき事柄を提示し、怒り方のポイントやコツを伝えます。巻末には「うまく怒れない人のケーススタディ」を掲載しましたので、すぐにお役立ていただけると思います。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
shikashika555
56
アンガーマネジメントと言うと 短気な人が自分の怒りをコントロールするためのトレーニングという印象しかなかったが、怒れない人にもマネジメントは必要なのだ。 自分の身を守るため、精神や尊厳を守るために 適切な時に適切な相手に適切に怒らなければならない。 私はそれが不得意だ。 てか、日本人で得意な人ってどれくらいいるんだろう。 適切に怒るためには何より自分の輪郭をキッチリ掴んでおかなくてはならない。 自分の輪郭を掴んだら、現状全部を拒否しそうでコワくてみんな避けてるのかもしれないとも思えた。 頑張って怒ろう。2022/03/09
ワッピー
42
読み友さんのコメントから。「怒りたいけど怒れない人」もアンガーマネジメントが必要という視点は盲点でしたが、納得です。怒る必要があるのに怒れないことは、①職場のコミュニケーションを阻害する ②自分自身の感情を押し殺す習慣がつくことで自分と向き合わなくなる というデメリットを上げていますが、①は注意・指導の技法寄りの視点で、②は個人の感情衛生の問題ですね。本書ではこのふたつを「怒る」という言葉で括ってしまって、明確に切り分けていない印象。「リクエスト上手」という言葉で、怒る側が何を求めているのか分析をする ⇒2022/03/16
更紗蝦
29
怒らなくなることを目指すのではなく「怒る必要のあることに上手に怒り、怒る必要のないことには怒らなくて済むようになること」を目指すアンガーマネジメントについて、優しくレクチャーしている本です。「怒れない心理」や「怒りをネガティブに捉える文化」についての分析はとても納得感がありましたが、「日本語の特質」(日本語独特の言い回し)と、「ジェンダー格差」(男よりも女の方が怒りに対する抑圧が強いことや、男が女を“叱る”時はマンスプレイニングが入り込みがちなこと等)への問題提起がなかったのが、少々物足りなかったです。2022/04/12
リトル
24
★★★ 昔は、悪いことをしたら怒られて当然だった。ゆとり教育あたりから、下手をしたら体罰やパワハラ扱いになり、怒りづらい時代になった。そのような中、どのように怒るか。具体的なリクエストの織り込み方や、自己肯定感の高め方といったポイントが書かれている。嫌われたくないがために、良い子を演じて怒ること控える人がいる。どちらかというと、私もその一人。それをしたところで幸せか?と問われると、正直苦しい。怒り上手と自己肯定感の高さは結びついている。不快なことを自然に伝えられるように、まずは、自分を褒めるところから。2022/04/24
K1
12
怒ることを恥ずかしいことだと思っている。怒り方がわからない。怒っても仕方がないと思っている。怒りを怒りと感じていない。怒っている人を見ると怖いと思うー怒ること=相手に今、これからどうして欲しいかを理解しやすく、すぐに行動に移しやすいように(いつまでに、何を、どの程度、どうして欲しい)伝えること・・・怒ることにも訓練が必要ですね。あとマイナスの感情をなかったことにしないは納得です。2021/12/12