内容説明
人はそれぞれの星を持っている。病気の少女のため、地の果てに棲む火守の許を訪れたサシャは、火守の老人と共に少女の星を探す過酷な旅に出る--。世界的SF作家が放つ、心に沁みるハートウォーミングストーリー。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
旅するランナー
164
三体シリーズの劉慈欣による童話。人にはそれぞれの星があり、流れ星はその死を意味する。三日月の帆船、太陽への火付けなど、スケールの大きな夢を見るような、静かな感動を与えてくれます。2024/11/03
KAZOO
108
「三体」の作家による童話を日本人の画家による絵と共にたのしませてくれます。池澤さんの翻訳文も読みやすくこの画家による絵の色合いもぴったりの感じでした。やはりこの作家本来のSF的な感じもあるのですが月の存在が今までの童話などとは異なる感じをあ立ててくれました。2022/03/27
ひさか
97
2019年4月北京聯合出版公司刊の烧火工 THE FIRE KEEPERを翻訳して、2021年12月KADOKAWA刊。童話。火守という仕事が明らかになっていく過程が楽しい。こんなに童話童話した話だとは想像もできませんでした。お話にマッチした西村ツチカさんの絵が良いです。原著も絵が素敵なようで、機会があれば見てみたいです。2022/04/24
はる
92
幻想的。詩的な物語だった。著者初の童話ということだが、童話というよりもむしろ神話のような壮大な世界観。西村ツチカさんのイラストが物語の雰囲気を盛り上げている。翻訳の池澤春菜さんは声優でもあるんですね。昔、教育テレビでお姫様をやっていたような……。美しい物語だが、主人公の選択は納得いかないなあ。。2022/08/27
aquamarine
90
「三体」を書かれた劉慈欣氏による童話。ほとんどのページに挿絵のある児童書という体裁だがルビはごく一部にしかついていない。病気の少女を救うために遠くの島の老人の元を訪れたサシャ。少女を救うためにしたことは。老人の仕事とは。…月と星と太陽。大人になって科学を知った私では想像のつかないその在り方に、揺さぶられ鼓動が高鳴る。著者が思いついてすぐ電車の中でipadで書いたと訳者のあとがきで知りその感性に驚いた。挿絵も翻訳と同時に日本で描かれたようだが、ぴったりでとても美しく、余韻を何倍にもしてくれた。2022/08/14