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内容説明
フェイスブック社が社名を「Meta」に変更すると発表した。「Meta」とは「Metaverse=メタバース」の「Meta」である。では「メタバース」とは何か? ITに関するわかりやすい説明に定評のある岡嶋裕史氏(中央大学教授)が、その基礎知識から未来の可能性までを解説。「メタバース」は第四次産業革命に匹敵する変革を我々の日常にもたらすのか? はたまた、ただのバズワードで終わるのか?
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
徒花
126
おもしろかった。フェイスブック社が社名を「メタ」に変えたことをきっかけに注目されている「メタバース」について初心者に向けてわかり易く解説した一冊。いわく、「現実社会の面倒くさいところを取り除いた、ネット上のもう一つの世界」のこと。似た概念に「オンライン渋谷」などの「ミラーワールド」があるが、現実社会を模倣するだけではメタバースにはならない、と理解できた。なにより、著者本人が根っからのオタクで、心よりメタバースの実現を待ち望んでいることがわかるし、たとえがとってもわかりやすいのですごく読みやすかった。2022/02/05
se1uch1
117
本書ではメタバースを現実とは違う世界と呼び、リアルに似せた世界(デジタルツイン)と分けて整理して、SNSは友達とつながるサービスではなく、合わない人を切り捨てるサービスだと指摘している。メタバースではそういった快適な人同士だけが集まる小宇宙がたくさんできる。そこでは似たような意見が飛び交うことで、周囲が自身と同じ意見であることに意を強くし、その意見が先鋭化していく(エコーチェンバー現象)。現実でできないことを可能にすることは希望もある一方で、人々の欲望や愚かさを考えると怖さの方が大きくなる気がして仕方ない2022/05/03
ねこ
117
とても分かりやすいメタバースの解説書だった。IT系の書籍はドックイヤーなので3年も経つと陳腐化するが図書館で2022年発行の本書が予約も無しに借りる事ができて幸いだ。スマホの次に必ず来るITのシンギュラリティはメタバースかスマートグラスである。GAFAMの取り組みの詳細も興味深い。最初に革新的デバイスを出すテックジャイアントはまだ分からない。1番心に刺さったのは「オタク世界の支配言語は日本語」だ!ミラーワールドでは他国企業に勝てないがメタバースのコンテンツと世界観は現状日本企業が最先端であるらしい。いいね2022/04/12
きみたけ
108
著者は富士総合研究所勤務を経験、現在、中央大学国際情報学部教授の岡嶋裕史先生。「メタバース」とはいったい何か、我々の生活にどんな変化をもたらすのか、またビジネスチャンスはあるのかなど、世界のトップランナーGAFAM各社の動向や日本企業の取組みなどを紹介した一冊。「現実とは少し異なる理で作られ、自分にとって都合がいい快適な世界」がメタバースの定義。正直、私の知らないキーワードが飛び交い話の半分は理解できませんでしたが、概要を捉えるには良い本だと感じました。2022/04/06
アキ
106
メタバースとは、meta-universeの造語で、仮想現実のこと。インターネット上のSNSが現実の社会に影響を及ぼしているわが身にとっても、サイバー空間がリアルな世界と並び益々重要性を持つようになるのは理解できる。マーク・ザッカーバーグが「メタバースは、ソーシャルテクノロジーの究極の表現だ」と発言し、社名を「メタ」にしたのは、今後生活全般を含有する可能性があるからでしょう。著者の言葉によれば、小説もプアなインターフェースしかない仮想現実を楽しむこと、だそうです。ふーん、そんな捉え方もあるのですね。2022/04/13