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内容説明
「水魚の交わり」劉備と諸葛亮のあいだには、実は厳しい緊張関係があった!
曹操の「革新」とは何か?
孫呉の盛衰はどのような力学に動かされていたか?
三国志の英雄たちが活躍した舞台は、自らの権力を確固たるものにしたい君主たちと、儒教的思想と文化・名声を力とする「名士」がせめぎ合う、緊迫した政治空間であった。
中国史上の大転換点として、史実の三国時代を当代の第一人者が描ききる。
小説、漫画、ゲームで描かれる英傑たちの、「本当の闘い」がよくわかる画期的論考!
●主な内容
黄巾の乱と群雄割拠
文学の宣揚
孫氏の台頭
劉備と諸葛亮
君主と文化
孫呉政権の崩壊
魏晉革命と天下統一
中国史上における三国時代の位置
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
あも
82
本邦、三国志研究の第一人者…は言い過ぎかもしれないが、ムック本や雑誌に至るまで三国志関連書籍を読むと必ず目にする渡邊先生。三国志の世界を思想で理解する入門書として素晴らしい内容。五行説によると漢王朝は火徳=赤の王朝なのに、なぜ『蒼天すでに死す』なのか。という長年の疑問が解けたのは感無量。儒教と曹操の唯才主義の関係や、中央政権(魏、晋)に対する呉・蜀の立ち位置がよく分かる。標榜する思想がゆえにその行動をせざるを得なかった事情まで。はい、冒頭で大半が脱落した中、最後まで読んでくれたあなたは優しい!ありがとう!2019/10/27
鐵太郎
22
三国志の時代を「名士」と言う概念で解説してくれる渡邉義浩氏の、三国志の流れを再び解説してくれた著作。たとえば、名士である諸葛亮は劉備亡きあと蜀漢を掌握し後漢の儒教国家を継承しようとして結局挫折し、孫呉最後の皇帝孫晧は文化的価値を存在基盤とする名士と対決して暴君と呼ばれ、曹丕は儒教国家である後漢から堯舜革命をなぞって「天下を公と為す」理念により名士を取り込んで曹魏を正当化した・・・こんな解説、この方以外からは得られません。いろいろな意味で、難しく面白い本です。読み応えあり。2022/09/27
Jampoo
19
儒教的教養と声望を兼ね備える「名士」の存在を軸に三国時代を通覧する。 武力に優れた群雄も「名士」の支持なしに在地豪族を糾合する事はできず滅びる。 故に君主達は諸葛亮や周瑜に代表されるような「名士」を頼りにし、同時にその独自の力を恐れ抑圧を試みた。そのバランスを取れたのが魏呉蜀である。 「名士」とは貴族の前身であったが、日本や欧州の貴族が土地所有によって権勢を得ていたのに対し、中国において「名士」の存立基盤は文化の専有にあり、後の中国独自の知識人層のあり方に繋がっていくという終章のまとめが非常に興味深い。2026/03/02
ジュンジュン
10
著者のコンセプトは一貫している。即ち、「名士という概念を設定して、三国志を分析すること」(229p)。範囲も、諸葛亮死後も視野に入れて、三国の滅亡・西晋の統一まで射程に捉えている。演義では地味な曹丕や曹叡の業績をも掘り下げる内容の濃さに、思わず腰が引けた(汗)。2021/06/02
鴨の入れ首
4
2012年刊。図書館本です。「三国志」の世界(中国三国時代)を政治思想史の観点から解説する、中上級者向け中国史解説書です。三国志演義では決して伺い知れない人脈史や時代背景がよく分かり、三国志がいっそう深く面白く理解できるような気がしました。大変面白くかつ興味深く、再び三国志(正史)を読んでみたくなりました。2026/02/25
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