内容説明
地球は誕生してから46億年の歴史を持つ。その長い歴史の中で、日本列島が形成されはじめたのは、現在から約1500万年前以降である。地形学・地質学は、そのような大陸移動・生命の進化・日本列島の誕生など、とてもスケールの大きなストーリーを解明する魅力的な学問だ。地層や岩石には、これまで地球上で起こったあらゆる現象が記録されているので、結果的に「地球の歴史」つまり「過去の災害の歴史」を知ることができる。本書の第1部では、日本列島の成り立ちから、なぜ地震や地すべりなどの自然災害が多いのかを解説。第2部では47都道府県のとある地域について、特徴的な地形・地質や大地の成り立ちの歴史に迫る。地域の成り立ちを見ていくと、災害と向き合ってきた逞しい日本人の姿が見えてくる。「地形・地質の知識をもとに、大地の歴史を楽しみながら、いつの間にか自然災害にも詳しくなる」――まさに大人の教養として、いま読むべき一冊だ。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
yyrn
31
ブラタモリは楽しいが、見ていつも残念な気持ちになるのは、知らないことが多すぎると教えられるから。知っている人には当然でも知識のない者にはその地形の意味するものがよく分からない。現地に立って同じ景色を見ても分からず、教えられてようやう、ああなるほどと合点した気になるが、翌日には忘れてしまうのは、実生活に関係がないと勝手に思い込んでしまうからだろうか？防災上、地質や地形は非常に重要だが、それらを常に意識するととても疲れるから敢えて忘れるように脳はプログラミングされているのだろうかｗ。⇒2022/07/28
えも
25
教養を身につける気はサラサラなかったけど、地理院地図に立体感を強調した陰影を重ねたアプリ「スーパー地形」と、産総研の「シームレス地質図」を駆使して、47都道府県の特徴ある地形地質を解説するとは、なんて斬新。ワクワクしながら読了です▼あまりにワクワクしたので、アプリを入れちゃいました。これで今後のブラタモリが更に楽しみだね♪2022/02/20
紫の煙
10
地質の専門家による、日本各地の面白い地形の解説本。面白いと思うのは、専門家かマニアだけだろうが、一般教養の範囲は超えている。同じ島国であるイギリスと比較して、国土は1.5倍なのに、可住地面積が半分というのは衝撃だった。2025/03/14
全縁
4
前半（ページ数的には1/4）は地学の基礎、後半は都道府県ごとの興味深い地形を扱っている。後半も面白かったけど、前半の分量がもうちょっと多くてもよかった。2025/07/28
kira
4
地震や水害などが毎年起こる日本。日本はなぜこのように災害の多い土地であるのか、そして、なぜ、そんな土地に人が街をつくったのか…。日本列島の地理と地質を特徴的な地域を選択して解説。今年1月1日に起きた能登半島地震にも関連する、石川県の地理地質も掲載。2024/02/02
