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内容説明
2021年、イスラム主義組織のタリバンがアフガニスタンの首都カブールを制圧した。01年、アメリカ・イギリスのアフガニスタン空爆から20年後のことだ。アメリカ軍のアフガニスタン撤退は、1955年から75年まで同じく20年を費やしたベトナム戦争以来の「完全敗北」。歴史の大転換点といってよい。アメリカは、いったい何を間違えたのか。そして民主主義による統治に替わってタリバンの暫定政権が発足すると、欧米のメディアは一様に「女性差別」「人権抑圧」について報じ、タリバンを前近代の遅れた存在と見なした。21世紀の民主主義の眼から見れば、そういう話になるのだろう。だが、われわれが日本の歴史を顧みたとき、いまアフガニスタンで起きていることに思い当たる節があるのではないか。ソ連のアフガニスタン侵攻から40年間、この地を幾度も訪れて戦争の現場を見つめ、考え抜いたジャーナリストが、コロナ下の「鎖国」に慣れきった日本人を目覚めさせる。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Melody_Nelson
8
メディアでたまに見かける佐藤氏だが、かなり前からアフガニスタンへ行って取材をしていたとは知らなかった。当然、言葉も理解できるようになるし、知り合いもできるのはジャーナリストにとって良いことなのだろうし、「市井のちょっとした話」というのは面白い。本書はエッセイみたいな本で、軽く読めるのは良いが物足りないので、最新のタリバン情勢について知るためには他の本を読まねば。2022/05/16
Cinejazz
7
タリバン(タリブ=神学生の複数形)とは、神学校(マドラサ)で洗脳に近い宗教教育を受けた人達の間で生まれたイスラム教スンニ派の過激派組織。 パキスタンとアフガニスタンの国境周辺を活動拠点としたが、2021年のアメリカ軍撤退直後に首都カブ-ルを制圧、アフガニスタン暫定政府が発足させた。40年以上にわたり戦乱の地を歩いてきた著者が、〝報道は戦争を止められるか〟の問いに 「中立な報道を世界に伝えることで、最悪の事態を防ぐことができる。情報を隠蔽する権力者の反啓蒙主義に対抗するジャ-ナリストは抑止力となり得る」と。2022/02/21
nori
3
I would have expected real report under view of طالبان but author insisted how journalist is important and did not give how they are thinking. I wonder if he can speak فارسی دری . They must have cause and journalist must disclose their will to the world2023/08/14
うたまる
3
アメリカの撤退後すぐにカブールを奪還したタリバンについて最新情報を得ようと手に取った。が、残念ながら新しい情報は一切無く、昔の思い出話だけという驚きの構成。また過去の日本と今のアフガニスタンとの類似点を語り独創性を見せたが、そんなことには何の意味もなく不可解さが増す。終盤はタリバンからジャーナリスト論に話題が移る。ここでもジャーナリスト礼賛の立場から自己責任論に噛みついているが、納得させるような論拠はついぞ出て来なかった。現地にも行かずにこんな内容の薄い本を上梓するんだから、説得力もモラルもあるはずない。2022/07/22
田中峰和
3
イスラームとキリスト教の争いは歴史も古いが、十字軍が印象に残る。近代になってイギリスがサイクス・ピコ協定によって国境線を直線で分断するような無理な分割をした影響は現代に残る。本書ではアフガニスタンを長く取材してきたジャーナリスト佐藤氏が、門外漢にも分かるように優しく解説してくれる。首都カブールをタリバンが制圧したのは昨年の8月。まだ1年も経過しないが、その後の国際情勢、ロシアのウクライナ侵略が大規模かつ残虐でアフガニスタンへの関心が薄れてしまった。75年にベトナムを追われた米国は46年後に同じ轍を踏んだ。2022/06/14
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