内容説明
1967年生まれの理夏。アパレル業界に憧れて上京した19歳の頃バイトをしていたパン屋さん「アンゼリカ」が閉店すると聞き、30年ぶりに下北沢を訪れた。コーポ服部で楽しくすごしたバイト仲間の秋子、元住人・ちはるとは、秋子に恋人ができてからすれ違いが生まれ、バラバラになってしまったままで……。下北沢に実在した人気パン店「アンゼリカ」を舞台に、青春の輝きと苦みを知る大人のための物語。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
モルク
137
かつてバイトをしていた下北沢のパン屋さんの閉店で30年ぶりに再会した理夏と秋子。地方出身で下北沢の同じオンボロアパートに住む二人と以前の住人ちはるを含め3人でつるんでいた日々。貧乏で、男のことで悩み争い、それでも楽しかった…しかしあの日から疎遠に…30年後に知った真実。胸がチクチクする。今ではすっかり変わってしまった下北沢、いっぱいあった布地屋さんとかどうなったかな?ノスタルジーに溢れ、貧しさを苦にしない、まだ若かりし頃の自分を思い出す作品だった。2022/02/22
ウッディ
124
デザイナーを夢見て上京した理夏。才能に限界を感じ、専門学校の授業料をだまし取られ、移った安アパートで、秋子とちはるに出会う。貧しいながらも、にぎやかな日々を過ごした仲間、そして仲違いをした彼女たちと、30年ぶりに出会い、知ることになった真実。同時期に青春時代を過ごした一人として、懐かしさ、ほろ苦さ、甘酸っぱさなど、色んな感情が溢れ、本当に切なかった。自由奔放に振る舞うちはるの心細さと二人への優しい想いにジーンと来ました。あの時、こうしていればという悔いは、辛いけれど、思い出を一層美しくするのかもしれない。2022/06/06
fwhd8325
122
おそらく、まだインターネットはなかった時代、情報誌を通じて美味しいラーメンや食堂などを探しては出かけていました。そんな中にこの物語の舞台となる「アンゼリカ」がありました。初めて食べたカレーパンは優しく気取らない味だったと記憶しています。下北沢というアートが集約されたこの街ならではの味だったと。若いときには見えなかったものも年を経ることで見えてくるものがある一方で永遠に変わらない景色もあります。タイムマシンに乗せてもらったような物語でした。2022/03/26
machi☺︎︎゛
121
下北沢には行ったことはないけれど、これを読んで行ってみたいと思った。残念ながらこれに出てくる実際にあったパン屋さん「アンゼリカ」はもう閉店してしまったみたいだけどそのお店以外にもたくさんの魅力を感じた。舞台は下北沢のオンボロ荘で時代は昭和。今は大人になった昔の友達が久々に会い、共に過ごした青春時代を懐かしむ。上手くいかない恋の思い出やケンカしながらも楽しかった毎日。「アンゼリカ」のカレーパンとみそパンが美味しそうだった。2022/06/22
ゆみねこ
98
夢を持ち上京した若い女の子たちが下北沢のボロアパートで過ごした日々。理夏とアッコ、元住人のちはるはアッコの恋人を巡るトラブルですれ違いバラバラに。30年を経て一通の手紙が届き、明かされた真実。若さゆえの未熟さと一途さは、かって若かったすべての人の心に響く。名店アンゼリカのカレーパンと味噌パン、食べてみたい!2022/03/26
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