内容説明
地球温暖化が問題視されているが、人類は地球環境を大きく左右する力など持ち合わせてはいない。人類は地球の覇者ではなく、ごく狭いエリアに文明という名の砦を築き、必死でサバイバルしているちっぽけな存在にすぎないのだ。
地球は約46億年間に何度も大きな環境変動を経てきており、いままた大規模の変化のとば口に立っているとしてもなんら不思議ではない。
たとえば、間氷期と氷期のサイクルを見れば、次の氷期がそろそろ到来しても、おかしくない時期にきている。
もし氷期が訪れたならば、私たち人類がサルの凶暴性を捨てきれないかぎり、文明はひとたまりもなく崩壊してしまうだろう。
ホモ・サピエンスとチンパンジーの遺伝子の違いは、わずか0.3%。その0.3%に私たちが進化し、生き残るためのカギが隠されている。
……世界中の極限環境を訪ね歩き、「生命とは何か」を探求してきた“科学界のインディ・ジョーンズ”による提言。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
カザリ
59
長沼さん、私は好きです、とういうのも、読んでいると理想を追求して結果的に残虐行為を正当化するマッドサイエンティストをほうふつさせるから。。狂気すら感じるけれど、それはもともと善に発していてだから始末が悪いというところで好きです。。何かいも言いますが、好きです。。あぶないことを臆面もなく言っているので好きです。2014/09/30
カザリ
50
再読。長沼さんの中では一番これが切れ味がいいような気がします。切れ味がいいということは、極端ということでもあるのだけれど。クラークの「幼年期の終わり」を読んでいたら、これにもクラークの話がでていて、びっくり。人類の存続よりも存在価値を重視したときに、たしかにホモサピエンスの終焉を堂々と主張するところは長沼さんとクラークは似ていると思う。。実際どう終焉させるのかというと、2種類あるなあ、と思うに至る。2015/01/12
かつどん
5
いくつか「なことないヨ」と感じる部分もあったが、概ね『ホモ・パックス』に向けた著者の熱い思いは読みとることができた。厳しい自然環境をいくつも体感してきた人だからこそこのように語ってOKだろう、と。人類としてはやはり人類が生き延びて欲しいけど、他の生物でもまあいいや、ってつい思わせてしまう所がさすが。そしてケイソウをあがめたてまつりそうになる自分が可愛い。あーでもやっぱり人類もっとがんばれーって叫ぶ今日この頃でした。2013/12/19
とめちゃんず
3
(途中でぱたっと落として)「科学者だもんで言いたいこと言ってるら!」(そんな事を言いながらも結局読み終えてから訳知り顔で)「あんた! 知ってた? 温暖化って言ってるけんホントは氷期がくるってさ!!」2013/12/21
塩崎ツトム
2
長沼先生、マイナーな出版社だからか知りませんが、おっしゃることが他の著作よりカゲキです。あしからず。2014/07/22