内容説明
高学歴化した日本。それでも昔に比べて、立派な大人が増えたと言えるでしょうか。それどころか、いつまでも大人になりきれない、子どものような大人が増えているのではないでしょうか?「知の巨人」である著者が語る「おとな」論は、大人として生きるヒントが満載です。正直でなく、白いウソをつくのが大人である。偉そうに歩くのでなく、つつしんで歩くのが大人である。裁くのでなく、他人を応援するのが大人である...。自分よりも他人のために生きる大人としての生き方は、あなたの人生をほんとうの意味で豊かにしてくれるでしょう。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
江口 浩平@教育委員会
23
【生き方】外山滋比古先生のおとな論。例えば「落ち着いて話す」ということ。「大声でわめくことばでは知恵のあることを言うことはできない」とおっしゃる通り、本来知的な会話は静かになされるものです。しかし、テレビでよく見かける政治家のように、声高に主張することを良しとする風潮も見られます。早口でまくし立てたり、相手の誘いを断る際に単刀直入に結論から話したりすることも、本来日本でははしたないとされている行為だったようです。産まれた時から西洋文化に浸かり、何の違和感もなくその様式を身に付けてきた世代への警鐘の書です。2017/11/25
ぴょこたん
16
92歳になっても現役!外山さんの本を読む。が、さすがに年なのか、構成がしっかりしていなく、同じ話(例)が何回も繰り返される。これは編集者がなんとかできたんじゃないか?と思ってしまう。内容としては「人の間でもまれ、苦労を経験し、創造性を持って生きないと大人になれないよ。年は大人だけど精神が子供のままの人が多くて困る」というものかな。乱暴に言うと。しかし、外山さんにはまだまだ頑張ってもらいたい。よい編集者のもとで書いてほしいな。 2016/11/09
れんこ
15
ことばを包む。言ってはいけないことがあるetc.普段の仕事でも思っている事でとても納得。スタイルのある大人になりたいです。2016/12/24
Tenouji
13
何気なく連続で読んだ、岡田斗司夫の『スター・ウォーズに学ぶ「国家・正義・民主主義」 』、雨宮まみと岸政彦愛との対談『欲望の雑談」、そしてこの本。どれも「むき出しの欲望のぶつかりを如何に避けるか」について書いているんだね。「模倣は易く、失敗は難し。知識は安く、生活が貴重」という視点やヒントはあるのだが、現実的なソリューションとしては、もう今は生活する人々の価値観が大きく違いすぎて適用不可。この手の本は、もういいや。 2016/10/01
雷華
10
【図書館】本棚に戻される前のカート上で発見。常々、自分は大人になりきれていないと思っていましたが…読んでて思い当たる部分が多々あって、実際に活字で読むと突き刺さります。大人の条件には頷ける部分もあるものの、他の方も書いている通り同じことを繰り返し言っているのが少し気になりました。あと、個人的には片方に肩入れしすぎて弊害等のリスクを見ていなかったり、逆に歴史などを見ずに叩くのもどうかな…ブーメランにならないかな…と感じました。そうやって思うこともまた、子どもの証しかもしれません…2018/12/01