ある特別な患者

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ある特別な患者

  • ISBN:9784763139122

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内容説明

オランダベストセラー! 世界中で続々翻訳される話題のノンフィクション。
新型コロナ、出世前診断、虐待、安楽死……人生の「特殊な時間」でしか得られない学びが詰まっている。
科学ジャーナリストである著者がオランダの日刊紙『デ・フォルクスラント』で始め、話題となった連載コラム「ある特別な患者(Die Ene Patient / That One Patient)」。
本書はそのうちの89の話をまとめた1冊。1話5ページほどのストーリーの中で医師や看護師、医療従事者たちが、「自分の人生を変えたひとりの患者」について語っていく。
新型コロナウイルスや難病、安楽死などを巡る場面で、忘れ難い思い出や素晴らしい教訓を残した患者について医療従事者の葛藤や心情が明らかにされる。
「人はどう生きるべきか」を考えずにはいられない自己啓発書としても読める1冊。

【目次より】
第一部 家族――「つながり」への考え方が変わったとき
第二部 感情――「人はどう思うか」への考えが変わったとき
第三部 予期――「希望」と「失望」への考え方が変わったとき
第四部 理解――「関係性」への考えが変わったとき
第五部 死―――「運命」のとらえ方が変わったとき

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

アキ

101
患者にとっての医者は、子どもにとっての父親のようなものかもしれない。育ててもらい、教えられるのは父親であり、医者も同じこと。医者がほとんどだが医療従事者が89人も、忘れられない語るべき患者のエピソードは、どの話しも強烈な印象を残す。患者の生き様そのものが、医師にとって何よりの教師となるのだ。時にはその後の医師人生を根本的に変え得るということを知った。そしてこれはオランダの日刊紙に掲載されたものなので、日本の医療との最大の違いは安楽死の制度である。それを決断しても、しなかったとしても、正解はないのである。2022/02/02

どんぐり

91
医師を中心に、看護師、ソーシャルワーカーなど総勢89名による忘れられない「特別な患者」のエピソードを語ったエッセイ。患者の多くは死の淵にあり、そこから気づかされたことや思い出、得た教訓などが記される、ドラマチックな場面が数多く出てくる。冒頭にはコロナウイルス感染者が登場する。そして、安楽死が合法化されているオランダならではの医師のジレンマもある。特に印象に残ったのは、「ほとんどの医師は、心のなかに“墓地”をもっている。これまでに亡くなった患者たちが眠る場所だ。彼らの重みを背負うことは、→2022/07/12

くさてる

26
オランダの医療従事者たちが「自分の人生を変えた一人の患者」について語ったコラムを集めたもの。短いコラムばかりなので読みやすいですが、内容そのものは深刻だったり強い印象を残すエピソードが多く語られます。安楽死制度のあるオランダならではの話もあります。新型コロナのパンデミック下における医療従事者たちの話も。2022/03/02

mawaji

8
図書館の新刊コーナーから何気なく手に取った一冊、一気読みでした。国家試験に合格して医学的知識で頭がいっぱいなところから、教科書通りにならない医療の世界に放り出されて患者さんから学び続け、それが医療に携わっている限り一生続くことになるのかと思います。すべての人に読んでもらうと医療従事者と患者との隙間が少しは埋められるのではないかと思いました。洋の東西を問わず医療従事者は忘れられない患者を思い描くことができることでしょうから、本邦でも企画してほしいものです。「医師に必要なことはただひとつ──正直になることだ」2022/05/07

よしじ乃輔

5
オランダ日刊紙で連載された医師、看護師、医療従事者達が「自分の人生を変えたひとりの患者」について語ったコラム89編。受け止めきれない思いに医師も人間なのだと再認識し、諦めない生き様を見せてくれる患者に勇気をもらい、日々を生きられる事に今日感謝をしています。日進月歩の技術の進歩の裏に、葛藤と努力の狭間で正解を探す医療関係者の姿があり、どの項目も心に残るものでした。一点思う事は、医師の癌闘病の辛さを語る項があり、当事者にならないとわからない、患者との意思疎通の難しさを痛感。2024/04/20

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