内容説明
金星文明は、かつて栄華を誇りながら絶滅した文明が存在する惑星、地球(テラ)の大規模な探査計画を進めていた。テラ人の文明は宇宙空間に進出するほどの科学的発展を遂げながら、なぜ滅んだのか。金星とテラの生命の類似点と相違点はなぜ生まれたのか。そして、月(ルナ)のファーサイドで見つかった謎の巨大施設と、そこに遺されていたテラ人が持つはずのない科学技術の痕跡は、何を意味するのか……探査隊の一員としてテラに派遣されたカイアル・リーンは、テラ文明が遺した数々の謎に挑む。巨匠が円熟期に放ったもうひとつの『星を継ぐもの』ついに邦訳!/解説=大野万紀
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
パトラッシュ
116
ホーガンの旧作『断絶への後悔』では、遠い宇宙で機械により生み育てられた新人類による異形の文明が描かれる。彼らが過去を忘れて数万年後の地球を訪れた設定なら、『星を継ぐもの』のガニメアンにようになったか。著者は地球人と精神的に近い金星人を出すことで生活や内部対立を描き、新たな世界の構築を図ったようだ。しかし金星人の地球探検隊で起こるドラマは、どこかで読んだ感じのする展開になってしまった。結末も何となく予想した通りで、初期作品的な心躍る楽しさはない。トンデモ理論で構わないから、胸のすく面白いSFが読みたかった。2022/03/31
ひさか
30
2007年7月刊のEchoes of an Alien Skyを翻訳して2022年1月創元SF文庫刊。金星人たちが失われた地球文明の謎を解明するお話。登場人物が多く、読み疲れします。最後の謎解きまでなんとか到達できました。疲れた~。2022/04/24
まえぞう
21
星を継ぐもの三部作では、人間の持つ凶暴性が隠れたテーマのように感じましたが、本作では、人間の持つ競争本能が割と明確なテーマになっているように思います。ホーガンの構想力はもう少し長いものの方が生きるように感じました。2023/01/15
秋田健次郎
17
真相が割と早い段階で予想できちゃったのはあったけど、科学描写は流石の一言。冷静に考えるととんでも科学なんだけど、真に迫る科学実験とその実証のおかげで、事実に思えてくる。金星人の目線から地球人という存在への警鐘を鳴らしつつ、地球人の強さも描かれてて、作者の本当の意味でも人類愛を感じた。こういう視座はSFでしか描けない。「星を継ぐもの」との共通点が言及されがちだけど、示唆に富んだ内容からしても、本作の方が社会的な作品としての側面があるのかな、と思った。2023/11/28
もち
17
「たどり着いたと思いますか――どこかにあるプロヴィデンスへ?」◆絶滅した地球文明。金星人の研究チームは、未踏査施設の調査のため月を訪れていた。不可解なシェルター、謎の作戦コード、お守りと神話。次々発見される事実が、信じがたい真実を照らしてゆく。■『星を継ぐもの』タイプ2、といった趣のハードSF。地球人と金星人の気質の違いを主軸に、闘争やロマンスを絡めて物語は進む。スケールの大きい魅力的な謎には、どんな解が釣り合うか。その答えがここにある。2022/01/10
-
- 電子書籍
- 災禍の魔女は自由に暮らしたい【単話】(…
-
- 電子書籍
- 願い星【分冊】 3巻 ハーレクインコミ…
-
- 電子書籍
- エルダー博士のダイバージェンストレード
-
- 電子書籍
- GA文庫&GAノベル2017年2月の新…
-
- 電子書籍
- ややBUSU(1)