内容説明
本阿弥光悦、長谷川等伯、尾形光琳、葛飾北斎など、国内外に知られる巨匠たちは、なぜそろって法華衆だったのか。一見すると彼らの作品に宗教的な色合いはない。日蓮生誕800年の節目に「法華芸術」という新しい視点から概観する日本美術史論。宮島達男氏(現代美術家)との対談、河野元昭氏(東京大学名誉教授)へのインタビューも収録。『聖教新聞』の好評連載を書籍化。
目次
はじめに
第1章 法華衆とその作品
本阿弥光悦
俵屋宗達
狩野永徳
長谷川等伯
樂道入
狩野探幽
尾形光琳
尾形乾山
葛飾北斎
歌川国芳
河鍋暁斎
神坂雪佳
速水御舟
第2章 西洋との出会い
西洋に広がった法華芸術
「北斎」から「HOKUSAI」へ
第3章 「法華衆の芸術」をめぐって
対談 宮島達男
インタビュー 河野元昭
おわりに
法華衆関連年表
著者略歴
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
gtn
25
旧習に捉われないダイナミックな北斎を再認識。その作品は欧州に渡り、著名な画家のみならず、作曲家のドビュッシーにも影響を与える。七十までは取るに足らない。七十三でようやく生物や草木の生態が分かり始めた。百十歳で画に生命が渡るとの北斎の言葉は、日々挑戦、現世安穏を説いた法華経が根底にある。一方、美術家宮島達男氏の雪舟に対する評価は辛い。雪舟は禅を信仰しており、その作品もワンパターンで中国由来の技法を脱していないという。生ける宗教か否か、芸術作品からも嗅ぎ取れるとみる。2023/03/07
Go Extreme
1
法華衆とその作品: 本阿弥光悦―法華芸術の“プロデューサー” 俵屋宗達―「琳派」の光源 狩野永徳―天下人に愛された絵師 長谷川等伯ー桃山画壇の雄 築道入ー型の中で型を破る 狩野探幽ー江戸狩野派の礎を築く 尾形光琳―「琳派」の大成者 尾形乾山ー誇り高き陶工 葛飾北斎ー変わり続けた絵師 歌川国芳ー奇想天外の絵 河鍋暁斎ー即興の名手 神坂雪佳ー今につながる「琳派」 速水御舟―世界的な大芸術を 西洋との出会い: 西洋に広がった法華芸術 「法華衆の芸術」をめぐって2022/01/26