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内容説明
平家物語は,日本の歴史が貴族社会から武家社会へと移りかわっていった時代に,平家一門の運命を描いた物語である.この本は,平忠盛,清盛,知盛,俊寛,文覚,祇王,仏など代表的な登場人物男女十人の生き方をたどるなかから,平家物語の全体像と文学としての豊かさを伝える.古典にしたしむための入門書.
目次
はじめに┴平忠盛┴祇王・仏┴俊寛┴文覚┴平清盛┴木曾義仲┴源義経┴平忠度┴平知盛┴あとがき
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アルピニア
36
第9回 日本の古典を読む(2017年9月)https://bookmeter.com/events/4013 平家物語の世界を代表する十人に的を絞り、原文を挙げながら分かりやすく解説している。平家物語の魅力満載の一冊。取り上げられているのは、平忠盛、祇王・仏、俊寛、文覚、平清盛、木曾義仲、源義経、平忠度、平知盛。特に心に残ったのは平忠度。文武に優れ風雅を愛した忠度が、運命を悟り俊成卿に歌を託して都を出る場面に心が揺さぶられた。躍動するリズムを感じる原文。全文を読むとともに、琵琶語りも聴きたいと思った。→2017/09/23
フェリシティ
6
学校の課題図書。今まで課題図書は面白かったためしがなかったけど、これは楽しめました。登場人物が個性的で、読んでいても飽きることがなかったです。「平家物語」「源氏物語」「徒然草」などの有名どころは、日本人として読んでおきたいと思いました。2011/09/08
えふのらん
4
登場人物十人を通して平家物語を概観する、というありがちな本だが構成が秀逸でその辺の縮訳やキャラクターブックよりも理解が進む。特に忠盛の殿上闇討からはじめて壇ノ浦の知盛で終える構成が利いていて、この大著の見通しを良くしている。本来なら清盛や重盛からはじめるべきなのだろうが、中途で退場してしまう人間に焦点を当てすぎれば一の谷以後はどうしても尻すぼみになってしまうし、この二人を全体のまとめやくにしているのは優れた判断だろう。2022/06/01
スズツキ
4
これはなかなか。平家物語を通読できる人間が限られるなか、その楽しみの要点を的確に伝えてくれる。原典を読んだら、生半可な小説じゃ満足出来なくなるのだろうね。2015/10/18
たかぴ
3
野望と狡知、忍耐と復讐が、人々の生命力の発現として描かれる物語だったんだ。台詞と役職、死を変えれば、そのままほぼ現代でも使える。それぞれの時代で人間達の普遍性を見たから現代まで残った物語だったんだな。2022/08/22