岩波ジュニア新書<br> 国語をめぐる冒険

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岩波ジュニア新書
国語をめぐる冒険

  • 著者名:渡部泰明/平野多恵/出口智之/田中洋美/仲島ひとみ
  • 価格 ¥968(本体¥880)
  • 岩波書店(2021/12発売)
  • GW前半スタート!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~4/29)
  • ポイント 240pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784005009381

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内容説明

「国語は冒険だ」と言われたら,驚きませんか? 国語には,未知の世界や存在が溢れています.危険を恐れず踏み出せば,新しい自分,他者,言葉との出会い,そして成長への機会が待ち受けています.学ぶ意味や楽しさだけでなく,国語を使ってどう生きるかを,「冒険」をモチーフに語ります.

目次

はじめに┴第一章 国語は冒険の旅だ(渡部泰明)┴願いは,何?/国語って何を勉強するの?/虹の根もとを探す人/なぜ偶然なのか/境界という場所/冒険者,登場/僕なんていらない!?/八橋という異世界/言葉を武器にせよ/言葉の魔力/すみだ河の都鳥/昔の日本列島はどんなイメージ?/境界の空間/都鳥,現る/命の,危うさ/感動が壁や殻を取り払う┴第二章 言葉で心を知る(平野多恵)┴わたしの心は,どうやったら見える?/占うって何? 隠されたものをあらわす/言霊の力 歌の呪文とお告げ/こんなふうに占った 室町時代の和歌占い/占う前に大切なこと 〈問い〉を立てる/和歌占いにチャレンジ!/歌を読み解く 見えない心と見える景色/心と言葉の深い関係 「むかつく」と「かわいい」の向こうへ/正解は一つじゃない そして冒険は続く┴【コラム】「文法を勉強してどうなるの?」前編┴第三章 他者が見えると,自分も見える(出口智之)┴なぜ国語で小説を学ぶのか?/物語の裏側を読む/「山月記」の謎 発端/種本「人虎伝」と中島敦「虎狩」/李徴は・うそをついている!/人はなぜ・をつくのか?/文学者,李徴/小説から人間を理解する/柔軟な発想力を養う/他者が見えると,自分も見える┴【コラム】「文法を勉強してどうなるの?」後編┴第四章 言葉で伝え合う(田中洋美)┴言葉につまずく/「わかりやすさ」を疑う/「わかりにくさ」と向き合う/書けない理由を整理する/「自由」の不自由さ/「つまずき」のち「ひらめき」/言葉で伝える「きっかけ」/本当の「きっかけ」を見つけよう/できごと×心の動き/題材を選ぼう/モノを見つめて気づくこと/「心の動き」から伝えたいことをつかもう┴【コラム】「旧字より新字が難しい!?」┴第五章 言葉の地図を手にいれる そして新たなる旅立ちへ(仲島ひとみ)┴国語って何だろう?/個人の言葉と国家の言葉/日本の「国語」ができるまで/どこまで国語? いつから国語?/消滅の危機にある言語/ろう教育と言語権/境界を越えて┴深掘りしたい人へのオススメの本┴参考文献

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

まこみや

46
何のために国語(日本語)を学ぶのか。つまるところ、本書末尾にある、温又柔さんの「我住在日語」という言葉に尽きていよう。日本語を母語とする者にとって、「私」という意識そのものが日本語によって規定されているのだから。このことの重大性を私たちはどれだけ実感しているだろうか。時あたかも国語の新学習指導要領では実用性と論理に重きを置いた科目編成になるという。小生既にリタイアした身ではあるけれど、本末転倒した改訂になるのではと危惧している。丸谷才一氏がもしご健在であるならば、是非ともご意見を伺ってみたいものだ。2021/12/15

ネギっ子gen

46
【国語は学ぶことは、冒険の旅に出ること】 そこではどんな出会いがあるのか、5名の専門家が紹介――。巻末に、「深堀りしたい人へのオススメ本」あり。<学びとは成長を求めることです。成長とは、新しい自分になることです。逆に言えば、古い自分は捨てられることになります。脱皮という言葉が、成長とほぼ同じで使われることからもわかりますね。今までの自分を、一時的とはいえ壊してしまうというのですから、自分という存在の危機であるということもできるでしょう。安全地帯に寝転んでいるだけでは、新しい世界を見ることはできません>。⇒2021/11/08

がらくたどん

40
「ジュニア新書」だからこその要点をきちんと押さえて尚且つ分かりやすい、とても良くできた「国語」入門書。言葉で何かを現すことと、言葉で著されたものから何かを汲み取る事の意味を、他者への理解・自分への理解からコミュニケーション、文学作品をその行間から透ける裏の意味まで読む楽しさ、果ては個人の母語と「国の言葉」の関係まで。特に明治以降の「標準語」の成立過程と手話・方言・外国語を母語とする国内生活者の現状がスッキリ整理されていて役立った。(コラムで紹介されていた京東洞院の「かたわ車」の怪談がとっても怖い!)2022/02/12

ひよピパパ

23
「国語」をめぐるユニークな「学び」を、5人の研究者が「冒険」をモチーフに語る一書。和歌占いについて書かれた平野多恵による第2章は新鮮だった。昔の人びとは『百人一首』を用いながらその解釈を独自に解釈することから占っていたという。今のタロット占い風のことを『百人一首』でやっていたわけで、その工夫と英知に感服した。出口智之によるコラム「旧字より新字が難しい!?」も当用漢字と常用漢字の違いが知れて勉強になる。2021/09/05

さとうしん

19
なぜ国語の授業で文学を学ぶ必要があるのか?作文の書き方は?コラムとして文法教育にはどういう効用があるのか?など、国語にまつわるあれこれ。「走れメロス」と「山月記」の分析が面白い。2022/02/08

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