内容説明
海獣とは,シャチやイルカ,セイウチ,アザラシなどの,海に住む哺乳類のこと.著者は数少ない海獣専門の医師として,約30年にわたり動物たちと体当たりでつきあってきた.飼育から治療,そして繁殖まで,水族館の知られざる舞台裏と,獣医師としての歩みを綴る.個性的で魅力的な海獣たちが,写真とともに多数登場!
目次
はじめに 水族館のすばらしきカイジュウたち┴1 育てることで育てられる┴イルカに誘われ水族館へ┴ベルーガのアマックが教えてくれたこと┴獣医はじめの一歩┴2 毎日が応用問題┴ロシアから来たセイウチ,ムックとタック┴シャチのカレンは人見知り┴背水の陣,ムック牙を抜く┴理想はヒマなお医者さん┴3 ママになる動物たち┴わたしはアシカの代理ママ┴ペンギンピヨちゃん嫁ぐ┴アザラシのリックはベテラン母さん┴バンドウイルカ繁殖への道┴ムックの場合,わたしの場合┴おわりに 物語は終わらない┴◎動物紹介┴シロイルカ(ベルーガ)/セイウチ/シャチ/トド/カリフォルニアアシカ/フンボルトペンギン/ゴマフアザラシ/バンドウイルカ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
みなみ
11
Kindle Unlimited で読了。53年生まれ、77年に鴨川シーワールドに入社した著者の獣医としての足跡をたどる一冊。なので出てくる海獣たちもいまでは世代交代している。当初は飼育員として働いていたが途中からは獣医として活躍する。シーワールドの生き物への愛情に心を打たれ、暗中模索のような獣医としての活動に体当たりで取り組んで道を切り開く様子に頭が下がる。セイウチのムックの手術のエピソードが印象に残った。鴨川シーワールドに行ってみたくなる一冊。2022/12/07
seichan
2
圧倒的に面白い。著者の語り口と立ち位置が自然体で、最後まで巻措くこと能わず。一気に読んでしまった。動物好きは必読。2011/04/22
susululu
1
冷静な獣医師の目と熱い動物愛を併せ持つ勝俣先生が大好きです〜海獣好きな方だけでなく動物好きな方に読んでもらいたい。2012/11/07
タマサブロウ
0
歳をとると、涙もろくなっていかん。 2011/06/30
はちがみっつ
0
鴨川シーワールドの獣医師、特に海獣類。入社はトレーナーとして。獣医に特化してからは、特に繁殖について尽力を注ぐ。まず日本の水族館として、海獣の病気や繁殖について、この時代はそれほどの事例がなく、この水族館での経験自体が症例として貴重な資料であった事が初耳だった。そして30年以上にわたるご活躍。頭が下がる。2022/11/09