ちくま新書<br> グローバリゼーション ──移動から現代を読みとく

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ちくま新書
グローバリゼーション ──移動から現代を読みとく

  • 著者名:伊豫谷登士翁【著者】
  • 価格 ¥935(本体¥850)
  • 筑摩書房(2021/12発売)
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  • ISBN:9784480074485

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内容説明

急増する移民・難民、各地で台頭する自国中心主義や排外主義、そしてますます拡大する経済格差……。ヒトやモノ、カネ、情報の国境を越えた移動を基礎に飛躍的な発展を遂げたはずの現代世界で、いったい何が起きているのか。本書では、現代をグローバリゼーションの時代と捉え、国民国家や国民経済といった近代社会の前提とされてきた枠組みを、移動という視点から再検討していく。グローバリゼーションと国家との逆説的な関係を解きほぐし、現代世界の深層に鋭く迫る。

目次

まえがき
序章 移動という経験
国境のもつ意味
主権行為としての出入国管理
本書の課題設定
グローバリゼーションの時代
コロナ禍と移動の自由
コロナ禍はナショナリズムを加速させるか
移民を定義する意味
「移民」の多様性
アメリカと移民研究
揺らぐ移民国家
第Ⅰ部 グローバリゼーションの時代
第1章 グローバリゼーションを学ぶ
1 グローバリゼーションとは何か
国際化とグローバリゼーション
事象としてのグローバリゼーション
方法としてのグローバリゼーション
時代としてのグローバリゼーション
グローバリゼーションから何を考えるか
2 グローバルなものとナショナルなもの──対抗と共振
「ナショナルなもの」とは何か
ナショナリズムとの共振
グローバリゼーション批判の陥穽
グローバルな基準の浸透
差異化としてのグローバリゼーション
3 グローバリゼーションは何をもたらしたのか
グローバリゼーションから逃れられるか?
グローバルなものとローカルなもの
第2章 移動と場所を問いなおす
1 移動の時代
グローバリゼーションと人の移動
カネ、モノ、ヒトの移動
情報の時代
近代の機能不全にどう向き合うか
2 移動が作り出す場所
制限される人の移動
逸脱としての移動
不可視化された課題
喚起されるナショナルなもの
揺らぐ国民の範囲
第3章 グローバル資本と世界経済
1 経済のグローバリゼーション
近代の移動
国民国家形成と国家間関係
製造業生産の越境化
世界経済への包摂
グローバリゼーションの新たな展開
2 多国籍企業の旋回
多国籍企業の影響力
輸出加工区と新国際分業
サービス面での世界経済の統合化
3 グローバル資本の蓄積様式
グローバル資本の蓄積メカニズム
新たな資本蓄積
グローバリゼーションと具体的な場
グローバル・ドリームと消費社会
資本による資本の創出
家事労働の有償化と女性移民
エッセンシャル・ワークの未来
第4章 世界都市からグローバル・シティへ
1 国際過剰資本が創り出した都市空間
暴走するマネー
グローバル・シティという場
資本の越境性
ナショナルな政治・文化という作為性
国境を越える標準化
2 世界都市と労働力移動
世界都市の誕生
多国籍企業と世界都市
資本の国際化と国際労働力移動
「移民問題」と労働力の世界的統合
福祉国家体制の終焉
グローバルな産業予備軍プール
「就きたがらない職業」
発展途上国における農村社会の解体
有力な商品としての労働力
3 グローバル・シティ──富と貧困の交差する場
空間としてのグローバル・シティ
世界都市との相違点
三つの特徴
グローバル・シティの戦略的役割
企業者サービス・金融機能
連結された空間としてのグローバル・シティ
グローバルな貧困の配分
第Ⅱ部 移動とは何か
第5章 移動のなかに住まう
1 近代国家と移動
移動という経験
なぜ移動に注目するのか
近代国家と国境管理
「非移民国」という神話
2 移動は何を語るか
多文化主義と日本
ナショナルな物語への回収
「帰郷」というモティーフ
近代を問いなおす
第6章 難民が問題になるとき
1 切り捨てられる「不法移民」
三五三本のポール
国境という壁
対立する国家主権と人権の理念
2 難民は誰にとって問題なのか
「難民」とは誰か?
多文化主義の挫折
「難民問題」の起源
そもそも何が「問題」なのか?
問われるリベラル国家
3 もう一つの移民の時代──戦時体制と総力戦
「移民の時代」
現代移民の起点
総力戦体制と原蓄過程
占領統治と労働力確保
4 難民と労働市場のグローバル化
旧宗主国への移民
労働市場のグローバル化
難民から問いなおす
第7章 「アジア」を問いなおす
1 アジアへのまなざし
グローバリゼーションの光と影
アジア的なるものの諸相
二つのまなざし
日本とアジア
2 占領と開発
場としてのアジア
変貌するアジア
二つのアジア
植民地統治の遺産と占領統治
開発の衝撃
3 グローバリゼーションのなかのアジア
顕在化する移民労働者
産油国への出稼ぎ
欧米諸国への移動
消費文化の浸透
新しい貧困
第8章 移民国家としての日本
1 日本における国民と移民
忘却されてきた移民
国策としての移民送り出し
抹消された移民の歴史
移民送り出し国としての日本
認識の断絶はなぜ起きたか
引き揚げという移動
「非移民国」というイデオロギー
2 国民の再生産と外国人労働者
労働市場への外国人労働者の流入
労働市場の二重構造
「開国vs鎖国」論争
両者の共通点
3 移民国家のパラドックス
「外国人労働力問題」の発見
商品としての移民労働者
試される民主主義
第Ⅲ部 場所の未来
第9章 境界からみる多文化共生
1 多文化主義の陥穽
日常化する外国人就労者
日本のなかの接触空間
多文化主義とは何か
多文化主義への批判
移民不在の移民研究
2 シティズンシップとは何か
日本でシティズンシップを問う意味
制度的な立ち遅れ
シティズンシップの両義性
3 移民国家への課題
歴史的帰結としての移民受け入れ
迫られる統合原理の転換
国民と移民の非対称性
理念と現実との乖離
第10章 人の移動とコミュニティという場
1 渇望されるコミュニティ
処方箋としてのコミュニティ
豊かさとしての自然
コミュニティ願望と近代
コロナ禍とコミュニティ
2 グローバリゼーションとコミュニティ
コミュニティの原型
変貌するアメリカのコミュニティ
ナショナルな装置への回収
新たなコミュニティは可能か
終章 人の移動をどう考えるか
国際労働力移動との出会い
世界経済の構造から考える
残された課題
あとがき
参考文献

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

ぷほは

6
最新動向を期待すると肩透かしを食らう。『グローバル・シティ』の訳者であるため、そのあたりを自分で勉強している人なら読む必要はない。具体的なデータや事例を示すこともなく概説が進んでいくため、初学者向けの本といえるとはいえ、記述の中に移民研究に対する問い直しを含んでいるため、本書を最初に読むべきなのかどうかも微妙。位置づけが難しい内容といえる。初学者がいくつか関連文献に目を通した後の、論点の再確認のための「復習本」という性格があるのかもしれない。コロナ禍をもう少し議論の流れの中に明確に位置付けてほしかった。2022/01/07

読書実践家

6
移動、移民の意味を問い直す。2022/01/03

Mealla0v0

5
グローバル資本主義に注目するサッセンやアパデュライらのグローバリゼーション研究に加えて、本書はポストコロニアル研究や総力戦体制論の影響も加わり、グローバルなものへの問いかけと同時にナショナルなものの問い返しの双方を含んでおり、近代に対するトータルな批判を目指していると言ってよさそうだ。ここで言う移動は国家間のものだけとは限らず、国内の移動(農村→都市)と、帝国・植民地間の移動も含む。とりわけ最後の移動は戦後体制においても継続されていた点に注意。現代日本が既に移民国家であるという点にも注意を向けている。2022/01/13

pppともろー

3
移動という視点からグローバリゼーションを見直す試み。世界共通の課題と日本特有の課題。移民研究と言いながらこれまでは移民政策研究だったと著者。避けられないテーマ。2022/01/04

take

2
グローバリゼーションとナショナリズムは相補的な関係にある。グローバリゼーションにまつわる様々な論点が淡々と説明されていく。グローバリゼーションについてこれから学びたい人には良いのかもしれない。2022/01/18

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