内容説明
多種多様な遺伝子を区別するため、研究者たちはその一つ一つに名前をつけてきた。数字とアルファベットを組み合わせた実務的な名前もあれば、「ムサシ」、「マージャン」、「アイム・ノット・デッド・イェット」、「パヴロフの犬シリーズ」など、ユーモアあふれる名前もある。遺伝子の名前を入り口として、発見者となった人々のドラマを覗いてみよう。新発見を目指して日夜鎬を削る生命科学研究の現場の空気と研究者たちの姿を伝えたい。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
佐々木大悟
1
本書を読む前は「ある程度ルールがあって、たまに面白い名前がでてくる」ぐらいのものと思い込んでいたが、実際の遺伝子命名は割とフリーダムな感じで面白い。遺伝子そのものの性質だけでなく、同じ研究に携わりながら異なる想いを持つ個々の研究者たちの思惑が絡み合う。生物学研究者とその分野の翻訳者の夫婦による共著ということもあり、ポスドクをはじめとする若い研究者たちの現場感もよく伝わってくる。読むのに高度な専門知識は必要としない。目次をみて、目を惹く名前があれば、読むべし。絶対面白い。2022/11/12
(ま)
1
麻雀・覚醒・武蔵・ゴッホ・・・遺伝子の地道な探査と命名への思いと遊び心と 少し情緒的かな2022/02/09
じょ
0
遺伝子扱う側からすると、「変な名前付けやがって…」って思うことが稀にあったけど、それぞれにこんなドラマがあったなら悪くない話だなと思う。今は配列情報からある程度推測できてしまう分、無難な名前が付いてしまいがちだけど、ここで出てきたやつらはその遺伝子への愛情とか情熱がないと付けられなかったものだろうと感じる。ピッタリハマる名前が思いついた時、気持ちよかっただろうな。2022/12/04
Eiko
0
新しい遺伝子が見つかると名前がつくわけですが、基本的には発見者が命名します。子どもに名前を付けるように、遺伝子の命名にも知恵を絞り、こんな機能があるからとか、こんな由来があるからとか、皆さんそれぞれ工夫します。日本人と中国人の研究者チームでとった遺伝子、せっかくだから日本語にしたい、中国語にしたい、とそれぞれの思惑が交錯。そして最終的に「日本語でも中国語でも同じ発音のもの」と決まったのが「マージャン遺伝子」。臨場感たっぷりでなかなか面白かった一冊。2022/01/24
K T
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地味だけどユーモアあって丹念に調べて書いてくれてます。 2021/11/20




