内容説明
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麦菜は、パン屋を営む両親と弟、そして祖母と暮らしている。この春、高校一年生になったばかりだ。自宅兼店舗があるのは、札幌近郊にある「空中回廊」の名を持つ歩道橋の階段のすぐ下。「空中回廊」は円形の通路にらせん階段がついた、とてもめずらしい形の歩道橋だ。
介護が必要な祖母をめぐって、家族はなんだかぎすぎすしている。麦菜の心も「好き」「嫌い」を行ったり来たり。まるでドーナツ型の歩道橋を歩くように──。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
美紀ちゃん
73
ヤングケアラーの話。 おばあちゃんは、要介護2。 介護は五感を破壊することばかり。 力もいるし、精神力も必要だと思った。 高校生の麦菜は、パン屋を営む両親を助けるために、おばあちゃんの世話もする。 辛い話ではないのに、驚くことばかり。 介護の大変さがよくわかる。 読書から、日本の問題の多さがわかる。 (昨日読んだ本には、海洋汚染プラスチック問題が、その前に読んだ本「イーブン」には女性の差別問題が!) そして超高齢化問題。どうするんだ日本! 2021/05/11
れっつ
36
ヤングケアラー:「要介護者の家族を、大人同様の責任を引き受けて介護している18歳未満の子ども」の呼び名。中学生の麦菜にもともに暮らす祖母がいて、母とともに日々お世話をしているが、祖母の認知症が進み、衝撃的な出来事の連続に戸惑う麦菜だが、クラスメイトの千秋(チャキ)の明るさや機転に救われる。大変な状況から再び前を向けるのは、話を聞いてくれ、寄り添い、ともに居てくれる有難い友の存在。爽やかであたたかい読後感だった。それにしても最近のYA文学は、子どもにのしかかる現実的な生きづらさがテーマの本が多いと感じる。2020/05/10
おはなし会 芽ぶっく
26
第47回青少年読書感想文コンクール 北海道指定課題図書 中学生 読み聞かせの交流会で教えてもらった本。高校1年生の女の子のゆれる気持ち。三世代同居の中、祖母の介護をしなければならない彼女。純粋に?高校生ライフを楽しめない彼女の葛藤。人を好きでいたり時には嫌ったりする感情は分かるが、彼女のような現状を自分が同世代なら考えられないだろうな。2020/11/21
くらさ
12
今問題のヤングケアラーの話。パン屋の娘;麦菜はおばあちゃんの介護に悩まされてるという話。すごいなって思いました2023/07/09
くぅたん
9
蔵書。ヤングケアラー予備軍。おばあちゃんと一緒に暮らすようになり、何でも出来た大好きだったおばあちゃんの老いを感じ、家族でケアする想い。同じような家庭がたくさんあり、今後も増えていくだろう。2021/06/14