内容説明
2021年に歴史的な盛り上がりをみせた火星探査。続々と探査機が火星に到着し中国は「火星有人探査」計画を発表した。このまま技術が発展すれば、人類は本当に火星に降り立つかもしれない。さらには旅行だってできるようになるかもしれない――。そんな希望を込めて、本書では火星の見どころスポットを紹介! 気球でまわる火星一周の旅から標高2万m超のオリンポス登山、極地ツアーまで。火星の魅力が詰まった決定版ガイドブック!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
旅するランナー
215
火星旅行の起点は、衛星フォボスまたはダイモスでございます。初日は、ソ連のマルス3号が1971年に火星初着陸した聖地、プトレマイオス·クレーターを目指します。逆噴射ロケットの残骸やパラシュートなどをご覧頂きます。メインイベントは、太陽系一高い山のひとつ、標高約21.1kmのオリンポス山登山です。麓から山頂までの水平距離約300km。これは東京から名古屋くらいまでの距離です。1か月かけて挑むチャレンジングな行程になります。青い夕焼けを堪能頂けることでしょう。最後に、くれぐれも環境保全にはご注意下さいませ。2022/06/16
活字の旅遊人
49
光文社新書からは時々(失礼!)面白すぎる本が出るが、その中の一冊に挙げていい。日本語の新書なので古い話かと思いきや、参考文献には2021年の論文まで入っている。是非とも数年おきに改訂してほしいと思う。火星そのものの面白さは是非本書を読んで体験していただきたいのだが、何よりプロローグとエピローグにある自然と人間との関係を謙虚に考える姿勢が良いと思う。宇宙ものはロマンがあり、地球上の環境問題と別個に考えてしまいがちな面もあるが、それをしっかり認識しての「歩き方」。ところで、済州島の地形も火星っぽくないかな?2022/02/21
おせきはん
40
火星について、これまでにわかったことを旅行ガイドのスタイルで紹介しています。水が表面から消えて生物もいない、むき出しの大地が織りなす手つかずの自然のスケールの大きさを堪能しました。地球にある火星に似た場所も紹介されており、火星が少し身近な星になりました。2022/05/08
雲をみるひと
27
火星をガイドブック形式に紹介した意欲作。内容の多くはかなり学術的でわかりやすいとは言えない。この手の本は火星の実態がもう少しわかってからの出版でよかった気もする。一方、火星に夢やロマンがあることがよく伝わる。2022/06/10
グラコロ
24
旅に出たい!スリランカ、メキシコ、アイスランド…、いや、いっそのこと地球を飛び出そう。火星は地球をひとまわり小さくしたサイズなのに、2万メートル超の山や、7千メートル深の渓谷があったり、二酸化炭素の氷の極地など摩訶不思議な地形が満載。そのスケールでかっ!を体験できるツアーは、気球でゆっくりと火星一周もいいし、高いけど意外となだらかなオリンポス山の登山もいい。酸素や水や食料はどうするかなんて気にしない。妄想の旅は膨らむ〜。2022/06/07