内容説明
戦前に久留米で生まれた逸子。
手先が器用な彼女は縫い上げた衣装を身に纏い、地元のダンスホールの華となる。
そこで知り合った男と一緒にダンス講師になることを夢見て長崎へ行くが、
結婚を機に運命は暗転する。
『ファザーファッカー』の著者が、母親の視点から、
娘への性虐待を黙認する女の人生を綴った渾身作。
解説・内田紅甘
※この電子書籍は2018年11月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
tycho
1
こんな世界がまだまだある事を知っている。時代に殺されてきた女性の姿を、そして頭のおかしな男の姿を苦しくなりながら不快感のなか読み終えた。そんななか生きてきた静子はどうやって生き抜いたのか、畏怖の念さえ抱く。2022/04/19
メグ
0
ちょっとショックが大きかった。男の言うことを聞くしかしない、反抗しない母親が信じられなかったし、馬鹿すぎる父親、子供みたいな父親も読んでいてイライラした。 怖い話でした。ひどい話なのに、あまり深刻に描かれていない感じが読んでて救いになるような不思議な読後感でした。