集英社文庫<br> 絶声

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集英社文庫
絶声

  • 著者名:下村敦史【著】
  • 価格 ¥693(本体¥630)
  • 集英社(2021/12発売)
  • 2025→2026年!Kinoppy電子書籍・電子洋書全点ポイント30倍キャンペーン(~1/1)
  • ポイント 180pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784087443073

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内容説明

親父が死んでくれるまであと一時間半――。状況は何も変わらないのに生が死に変わり、巨額の遺産が手に入るその瞬間を大崎正好は待ち望んでいた。ところが突如、驚愕の知らせが。父のブログが更新されたのだ。「私はまだ生きている」……。それぞれに問題を抱えながら、遺産のために表向きは結束する兄妹たち。その思惑をよそに立て続けに本人にしか知り得ない真実が次々と明かされ、主人公を取り巻く状況は加速しながらめまぐるしく姿を変える。その声が導くのは真実か、破滅か――。驚愕のラスト&圧倒的リーダビリティの極上ミステリー!

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

のり

81
大物相場師と呼ばれた父親に死期が迫っていたが、突然失踪し行方不明となり、失踪宣告を申し出た。莫大な遺産を狙う兄と姉、そして後妻の次男が互いを牽制しながら策略を練る。そんな折に生存情報として父親のブログが更新される。本当に生きているのか?しかし、遺産を待ち望まれる父親としての気持ちを考えると辛いものである。金は人を変えるには十分だ。その意味ではウチは心配無用だ。2022/06/06

オーウェン

57
父親が死ぬことになるまであと90分。そうすれば私は莫大な遺産が手に入る。兄も姉もそれを心待ちにして駆けつける。 しかし弁護士が待ったをかける。遺産を巡り失踪したとされる父親。余命わずかの時点で姿を消し、7年後に家裁捜査官によって失踪手続きが済めば遺産を分売できるはず。一応ミステリではあるし、種明かしもされる。でも驚きはないし、何より問題なのは共感できるキャラが誰もいないということだ。3兄弟は全員金のことばかりだし、かといって父親の心情に寄れというのも難しいのが実情。下村さんにしては珍しく駄作だと思う。2025/07/05

小説を最初に書いた人にありがとう

56
伝説の相場師の遺産を巡るミステリー。 相続権を持つのは実の息子と娘、そして既に離婚して家を出た後妻の息子。父親は癌に冒され余命少ない中疾走し、漸く死亡とみなされる期日を迎えるところで父親のブログが更新されるところから謎が深まっていく。小悪党ばかりではあるが心から憎める人物像でないところが感情移入しづらかった。どんでん返しもあり、ミステリーとしては楽しめるがページを捲る手も惜しいとまではいかず残念。2023/07/06

井川浩

48
遺産相続。金に目がくらむ親族。血縁はあるが他人同然の親族との争いなど、そのドロドロ感がよく伝わってくる。相続人の大富豪が病気を抱え失踪したという複雑な事情があり、見つからなければ、法定期間の経過により死亡とみなされるという状況だった。親族はその瞬間を待っていた・・そしてその瞬間がくる直前に、相続人が投稿していたブログが更新された!「私はまだ生きている」と・・親族は激しく動揺し、さらに自己中心的な感情をあらわにする。ブログの真相を探り物語は進んでいきます。投稿されている内容とその流れがカギになります・・2023/03/26

うまる

39
遺産話なのに殺人事件じゃなかった! しかし期待外れではなく、殺人よりは秩序と法に則った、遺産を巡るリアルな攻防戦で面白かったです。相続者同士の睨み合いはもちろん、失踪者本人の思惑も良くできていました。相続関係者だけの話だとよくある話になりそうな所、家裁捜査官を混ぜてきた所が良いアクセントになっていたと思います。家裁捜査官でシリーズ化してほしいなぁ。2021/12/28

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