講談社学術文庫<br> 遊びと人間

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講談社学術文庫
遊びと人間

  • ISBN:9784061589209

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内容説明

なぜ人間は遊ぶのか。人は夢、詩、神話とともに、遊びによって超現実の世界を創る。現代フランスの代表的知識人といわれるカイヨワは、遊びの独自の価値を理性の光に照らすことで、より豊かになると考え、非合理も最も合理的に語ってみせる。彼は、遊びのすべてに通じる不変の性質として競争・運・模擬・眩暈を提示し、これを基点に文化の発達を考察した。遊びの純粋な像を描き出した遊戯論の名著。

目次

1
1.定 義
2.分 類
1.基本的範疇
2.喧噪から規則へ
3.遊びの社会性
4.遊びの堕落
5.遊びを出発点とする社会学のために
2
6.遊びの拡大理論
1.あり得ない組合わせ
2.偶発的な組合わせ
3.根源的な組合わせ
7.模擬と眩暈
1.遊びと文化との相互依存
2.仮面と失神
8.競争と偶然
1.変 遷
2.能力と運
3.代 理
9.現代社会への再湧出
1.仮面と制服
2.縁 日
3.サーカス
4.空中サーカス
5.人真似し茶化す神々
3
1.偶然の遊びの重要性
2.教育学から数学まで
1.教育心理学的分析
2.数学的分析
3.遊びと聖なるもの

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ころこ

42
ホイジンガの仕事を意識し、それを乗り越えようと企図している。遊びを①自由な活動②隔離された活動③未確定の活動④非生産的活動⑤規則をもった活動⑥虚構の活動の6つの形式的特徴で定義し、1競争(アゴン)、2運(アレア)、3模擬(ミミクリ)、4眩暈(イリンクス)の4つの内部的要素に分類分けしている。眩暈はいかにもカイヨワらしい言葉の選択だ。4要素はマトリックスになっていて軽重はないようにみえるが、第2部で模擬と眩暈、仮面と恍惚を論じるときに最も力が入った文章を書いている。分類化してみせはするが、議論は自ら批判した2023/07/27

ゆう。

23
遊びとは何か、ホイジンカの理論を受け継ぎつつ、それを乗り越えようとした内容です。人間にとって遊びは欠かせません。カイヨワは遊びのすべてに通ずる不変の特性として競争・運・模擬・眩暈を提示し、これらを基点にして文化の発達を考察しています。そして遊びは自由で自発的な活動、喜びと楽しみの源泉として定義するべきであるとしています。遊びは遊びだから遊びこむことができるのだと思いますが、こうしたことを考えることができた本でした。2017/09/07

あっきー

17
⭐3 10年間積読本キャンペーン22冊目、何度か挫折、遊びの原理は競争、運、模擬、眩暈の4種類で、例えばサッカー、富くじ、仮面、ジェットコースターが対応し、スポーツのスター選手とか芸能界、公営ギャンブル、テーマパークなど当てはまりそうだ、賭けは労働をあざけりそれと対抗する誘引力である、文明への道はルール無視の眩暈よりもフェアプレイの競争の遊びを重視し、競争と運の組み合わせを眩暈と模擬の組み合わせの上位に置く、聖の支配を遊びで越えられるか、眩暈によって自我から脱する衝動を自由と呼べるかを更に考えていきたい2020/11/25

魚京童!

16
遊びを分類して、遊んでた。面白い。ただこれを読んで、図示しろよって思った。1つ1つ言われても覚えきれない。絵がないと…。とか思った時点で読書ってなんだろうねって感じ。知識はつくけど、グーグルに聞けばいい。たぶんこの本もパワポできれいにまとめてる人がいる。どこに楽しみを見出すんだろうね。他の人に知らせる喜びもあるけど人がいる。そろそろグーグルが傾聴するロボットを作ると思う。みんな好き勝手しゃべりたいのだ。絶対買うと思う。ってか今の時点でも作れるでしょ。適当に相槌を打つのを皮切りにじょじょに育てていけばいい。2020/03/01

有沢翔治@文芸同人誌配布中

12
カイヨワの代表的著作。ホモ・ルーデンスと並んで、遊びに対する考察。文化が先にあり、遊びはその模倣に過ぎないという従来の説ではなく、遊びが文化を作り出すのだと説いている。http://blog.livedoor.jp/shoji_arisawa/archives/51489496.html2017/08/07

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