内容説明
芭蕉の名句の多くは旅の中で生まれた。「奥の細道」をはじめ、春夏秋冬の旅で詠まれた80句を選び、的確で美しい英訳と現代語訳、親しみやすい解説で芭蕉の新たな魅力を伝える、最良のガイドブック!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ピンガペンギン
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著者・翻訳者は「百人一首」の翻訳で日米で翻訳賞を受賞されているピーター・マクミラン氏。アイルランド出身で詩人でもある。芭蕉の句を読むと故郷の風景の記憶がよみがえってくるという。(雉の句を読み、家の前の畑で雉をよく見かけたことを思うなど。)どの文化圏で育ったかより、自然に親しんだ体験が多い人の方が植物・動物をよく詠んだ芭蕉の世界を理解しやすいのかもしれない。「どむみりとあふちや雨の花曇」「おおち」は栴檀のこと。枕草子にも風情のある花として出てくるという。→2024/06/09
呑司 ゛クリケット“苅岡
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人は、特に男は動かないでいると人生の澱が溜まって腐ってしまう。それを防ぐ唯一の方法が旅することだと言った本がいた。そのことを思い出す事が出来た。古典の芭蕉を英訳してくれた著者はアイルランド人だ。句には必ず詠まれた背景がある。その背景にはその人の原風景が 含まれるのだからアイルランドの原風景で解説するのかと思っていたら、日本のその時代には立ち返って解説してくれた。読み進む中です、彼の旅もスケールが大きいと感じた。2023/08/20
笛の人
1
今回は古典の翻訳本です。 ただ、英訳が載せてあるだけで、解説等は日本語で書かれているため、読むのはそれほど苦労しません。やはり言語が変わると概念が変わるので、色々な工夫がされているようでした。例えば「春雨やふた葉にもゆる茄子種」という句。アメリカ英語の「eggplant」ではなく、イギリス英語の「aubergine」の方が、フランス語、カタロニア語、アラビア語、サンスクリット語などの諸国の言語にルーツがあり、古の響きを持った趣のある言葉だから、あえてイギリス英語を使ったということです。2023/07/11




