講談社学術文庫<br> 砂漠と草原の遺宝 中央アジアの文化と歴史

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講談社学術文庫
砂漠と草原の遺宝 中央アジアの文化と歴史

  • ISBN:9784065264423

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内容説明

カザフ・ウズベク・タジク・キルギス・トルクメンの、いわゆるファイブスタン=中央アジアは、中国・ロシア・アフガン・イランに囲まれた地政学的な重要性にくわえて、豊富な地下資源と近年の経済発展で、ますます注目度を増している。長く「東西文明の十字路」として興亡を繰り返し、さまざまな民族が行き交った旧ソ連領中央アジアの複雑な歴史を手軽に知る入門書。
紀元前5千年紀、農耕文化はどのように始まり、牧畜はいつ、遊牧に移行したか。アレクサンドロスの東征や、張騫の西使は何をもたらしたか。仏教やゾロアスター教の文化・芸術を、イスラム教はどう変容させたか。チンギス・カンの軍隊が破壊した都市はいかに再生したか――。新石器時代の原始農耕から、サマルカンドを中心に栄えた15世紀のティムール帝国まで。スキタイ・エフタル・匈奴・烏孫・突厥・ソグド・モンゴルなど、砂漠と草原を往来した遊牧民の世界を、遺跡と遺物を手掛かりに説き明かす。
巻末解説を、『スキタイと匈奴 遊牧の文明』の著者・林俊雄氏(創価大学名誉教授)が執筆。〔原本:角川書店、1963年刊〕

目次

失われた文化を求めて
農耕と牧畜のはじまり
パルティア皇帝の宮殿・
西域の国々
草原の民、高原の民
城塞と都市
オアシスの夕映え
あとがき
中央アジア略年表
解説(林俊雄)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

HANA

72
中央アジア、ユーラシアステップというと何処までも続く青い空とその果てまで広がる草原というのをイメージしてしまう。本書は主にその西部について、先史時代からティムールの帝国までの歴史をまとめた一冊。と言っても単純な通史ではなく、様々な文化の成立やそこに成立した国の数々とその城塞の様子等、歴史や文化の概要を知る事の出来る造りとなっている。中央アジアという漠然としたイメージに形が与えられたような感覚を覚える。五十年前の本なので現在とは違った部分も多々あるらしいが、そこは解説で上手く補足されているのもありがたい。2022/12/19

スズコ(梵我一如、一なる生命)

15
サマルカンドとかシルクロードには憧れがあったのですが歴史を全く知らず、本書で初めて触れることができました。楽しかったです。敦煌とか中央アジアの東側が中国の支配地域で、西側はソビエト連邦だったという超基礎的な整理から知ることができた。漫画「チ。」で異教の方が天文学が発達していて、、、のくだりが、まさにこの地域だったんだろうなと。アラブよりも中央アジアの方が文化度も高かったというのを、やっぱりそうだったかと納得できたのも大きい。いつかエジプトから敦煌辺りまで旅をしてみたいと夢を持てた。叶うといいな。2023/03/01

ユビヲクワエルナマケモノ

7
「本書は主として考古学的史料、いわゆる物質文化史史料によって、原始農耕文化の発生からティムール、ウルグベク時代(十五世紀)までのソ連邦中央アジアー西トルキスタンーの歴史的・文化的発展をあとづけようとしたもの」。1963年の本だが、林俊雄氏の「解説」によるフォロー付き。「文化的発展」で目を引いたのは教科書では影の薄いサーマン朝が「九-十世紀のブハラは東洋における文化の中心地」だったことや、ウルグベクがラプラスから「史上最大の天文観測者」と呼ばれていたこと等。中央アジアの文化水準はイメージよりずっと高かった。2022/04/27

ルーシー

6
原本の刊行は1963年と古くはあるが、とても面白かった。地名などの変更点は林俊雄氏によって訂正されている。考古学的資料をもとに中央アジアの歴史を概観する。農耕文化の始まりからティムール朝の滅亡まで、数多くの遺跡があることに驚いた。特に、6〜8世紀には多くの城塞があり、その中は壁画で彩られていたことは初めて知った。2023/10/15

(ま)

4
考古資料を元に西トルキスタンのティムールまでの歴史を簡潔に 60年前出版なので唯物史観がちらほらと・・・2022/01/21

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