内容説明
19世紀の軍人カール・フォン・クラウゼヴィッツが生涯をかけて著した一冊の本は、なぜ今も世界中で読まれる名著となり得たのか?『戦争論』英訳の決定版を手がけた泰斗マイケル・ハワードが、クラウゼヴィッツの体験や当時の歴史などを紐解き、その戦争観を平易に、そして奥深く描いてゆく。監訳者による解説と文献案内つき。
目次
序 論
第1章 クラウゼヴィッツの生涯
第2章 戦争における理論と実践
第3章 戦争における目的と手段
第4章 制限戦争と絶対戦争
第5章 クラウゼヴィッツの遺産
関 連 文 献
監訳者解説とあとがき
著者・訳者紹介
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
六点
78
英国の軍事史学者、マイケル・ハワードによる解説本。クラウゼヴィッツの生涯から始まり新冷戦期にどのように受容されていたかを問いた「クラウゼヴィッツの遺産」に至るまで、簡潔すぎて呆気にとられるくらいの分かりやすさである。クラウゼヴィッツのライバルであったジョミニの『戦略理論』は積んであるので、そちらも近いうちに片付けないと。2024/08/16
Shin
19
「戦争をどう戦うか」ではなく「戦争とは何であるか」の本質を捉えた名著である『戦争論』。本書はオックスフォード大学出版による「超短入門シリーズ」の邦訳なのだけど、難解な原著の要点を簡潔に整理しているだけでなく、書かれた時代的背景なども歴史家の観点で鋭く分析されており、一粒で何度も美味しい的な良書。「本質を取り出す」という知的営為のお手本のようでもあり、表面的な理屈に流されがちな日々の戒めのためにも、いつも見えるところに置いておこう。2022/01/22
パット長月
10
浩瀚にして難解で鳴る名著の、高名なる碩学による解説本。とはいえ、薄い本で、かつ翻訳も良く、極めて密度の濃い圧縮された内容ながら、ストレスなく、ウクライナ情勢やら、わが国の防衛論議やら、時局についていろいろと考えながら読むことができた。2023/01/26
ジャン
3
戦争の帰趨は国の軍事費や科学技術力を見れば大体分かると言いたくなるが、クラウゼヴィッツは一筋縄では行かない戦場のリアルに基づく冷徹な分析を展開する。実際の戦争は、兵士の士気などの「精神力」に左右されるし、戦闘は地形や気象といった「摩擦」や相手の出方を受けた「相互作用」にも影響を受ける。現代の戦争を考えるには、経済的要素や情報戦・認知戦など不足があるのは当然だが、兵士の士気や防御優勢の視点など、例えばロシア・ウクライナ戦争を考える上での有用性があるのはよく分かった。2023/05/02
Studies
3
まずまずよい2022/05/30
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