内容説明
「やましいことがないのであれば、安全のために、あなたのプライバシーを開示するのは問題ないのでは?」。この問いを基点として、プライバシーの価値、安全との関係、憲法上の権利としてのプライバシーの性格、新しい技術との関係・対応について、豊富な具体例を通して詳細に論じる。危機に瀕するプライバシーを救うために。
目次
はしがき
第1章 はじめに
1-1 プライバシーと安全小史
1-2 プライバシー、安全及び法
1-3 見取り図
PART1 価値 我々はいかにプライバシーと安全の価値を評価し衡量すべきか
第2章 やましいことは何もない論
2-1 私にやましいことは何もない
2-2 プライバシーの理解
2-3 やましいことは何もない論の問題
2-4 血、死、プライバシー
2-5 やましいことは何もない論の沈黙
第3章 全か無かの誤謬
第4章 敬譲の危険
4-1 執行府は安全についてより高い能力を有しているか
4-2 安全への脅威の評価
4-3 セキュリティ・シアター
4-4 敬譲しないほうが安全である理由
第5章 プライバシーが単なる個人的権利ではない理由
5-1 社会的価値としてのプライバシー
5-2 行動の監視
PART2 有事 法はいかに国家安全保障の問題を扱うべきか
第6章 振り子論
6-1 不必要な犠牲
6-2 犠牲の拒絶
第7章 国家安全保障論
7-1 国家安全保障法
7-2 厳密にいえば何が「国家安全保障」か
7-3 不適切な「国家安全保障」の発動
7-4 「国家安全保障」の主張を統制下に置き続ける
第8章 犯罪・諜報の区分を消滅させることの問題
8-1 二つの規制システム
8-2 犯罪・諜報の区分の消滅
第9章 戦争権限論と法の支配
9-1 大統領は法律に違反してもいいのか
9-2 秘匿の必要性
9-3 国家安全保障局の令状なしの監視プログラムへの訴訟提起
9-4 法の支配の崩壊
PART3 憲法上の権利 憲法はいかにプライバシーを保護すべきか
第10章 修正四条と秘匿パラダイム
10-1 一文の規制システム
10-2 いかなる場合に修正四条は保護を与えるのか
第11章 第三者提供の法理とデジタル事件記録
11-1 一九七〇年代に戻る旅
11-2 デジタル事件記録と今日における第三者提供の法理
11-3 癒着と強制
11-4 誤った理由づけと開かれた問い
11-5 技術に追いつくこと
11-6 情報時代における修正四条
第12章 プライバシーの合理的期待を探求することの失敗
12-1 問いの立て方を変える
12-2 プライバシーの合理的期待テスト
12-3 プラグマティックなアプローチ
12-4 遺伝子情報と偽計
12-5 修正四条を再生させる
第13章 嫌疑なき捜索論
13-1 なぜ相当な理由により裏づけられた令状を要求するのか
13-2 手続は機能するのか
13-3 令状と相当な理由を越えて
第14章 違法収集証拠排除法則を維持すべきか
14-1 ドリー・マップの自宅の捜索
14-2 なぜ違法収集証拠排除法則があるのか
14-3 違法収集証拠排除法則に伴う問題
14-4 解決に向けて
14-5 違法収集証拠排除法則の廃棄
第15章 刑事手続法としての修正一条
15-1 共通の歴史
15-2 刑事手続と修正一条の権利
15-3 修正一条の果たす新たな役割
PART4 新技術 法はいかに変化していく技術に対応すべきか
第16章 愛国者法を廃止すればプライバシーは回復するか
ほか
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