プライバシーなんていらない!? - 情報社会における自由と安全

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プライバシーなんていらない!? - 情報社会における自由と安全

  • ISBN:9784326451104

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内容説明

「やましいことがないのであれば、安全のために、あなたのプライバシーを開示するのは問題ないのでは?」。この問いを基点として、プライバシーの価値、安全との関係、憲法上の権利としてのプライバシーの性格、新しい技術との関係・対応について、豊富な具体例を通して詳細に論じる。危機に瀕するプライバシーを救うために。

目次

はしがき

第1章 はじめに
 1-1 プライバシーと安全小史
 1-2 プライバシー、安全及び法
 1-3 見取り図

PART1 価値 我々はいかにプライバシーと安全の価値を評価し衡量すべきか

第2章 やましいことは何もない論
 2-1 私にやましいことは何もない
 2-2 プライバシーの理解
 2-3 やましいことは何もない論の問題
 2-4 血、死、プライバシー
 2-5 やましいことは何もない論の沈黙

第3章 全か無かの誤謬

第4章 敬譲の危険
 4-1 執行府は安全についてより高い能力を有しているか
 4-2 安全への脅威の評価
 4-3 セキュリティ・シアター
 4-4 敬譲しないほうが安全である理由

第5章 プライバシーが単なる個人的権利ではない理由
 5-1 社会的価値としてのプライバシー
 5-2 行動の監視

PART2 有事 法はいかに国家安全保障の問題を扱うべきか

第6章 振り子論
 6-1 不必要な犠牲
 6-2 犠牲の拒絶

第7章 国家安全保障論
 7-1 国家安全保障法
 7-2 厳密にいえば何が「国家安全保障」か
 7-3 不適切な「国家安全保障」の発動
 7-4 「国家安全保障」の主張を統制下に置き続ける

第8章 犯罪・諜報の区分を消滅させることの問題
 8-1 二つの規制システム
 8-2 犯罪・諜報の区分の消滅

第9章 戦争権限論と法の支配
 9-1 大統領は法律に違反してもいいのか
 9-2 秘匿の必要性
 9-3 国家安全保障局の令状なしの監視プログラムへの訴訟提起
 9-4 法の支配の崩壊

PART3 憲法上の権利 憲法はいかにプライバシーを保護すべきか

第10章 修正四条と秘匿パラダイム
 10-1 一文の規制システム
 10-2 いかなる場合に修正四条は保護を与えるのか

第11章 第三者提供の法理とデジタル事件記録
 11-1 一九七〇年代に戻る旅
 11-2 デジタル事件記録と今日における第三者提供の法理
 11-3 癒着と強制
 11-4 誤った理由づけと開かれた問い
 11-5 技術に追いつくこと
 11-6 情報時代における修正四条

第12章 プライバシーの合理的期待を探求することの失敗
 12-1 問いの立て方を変える
 12-2 プライバシーの合理的期待テスト
 12-3 プラグマティックなアプローチ
 12-4 遺伝子情報と偽計
 12-5 修正四条を再生させる

第13章 嫌疑なき捜索論
 13-1 なぜ相当な理由により裏づけられた令状を要求するのか
 13-2 手続は機能するのか
 13-3 令状と相当な理由を越えて

第14章 違法収集証拠排除法則を維持すべきか
 14-1 ドリー・マップの自宅の捜索
 14-2 なぜ違法収集証拠排除法則があるのか
 14-3 違法収集証拠排除法則に伴う問題
 14-4 解決に向けて
 14-5 違法収集証拠排除法則の廃棄

第15章 刑事手続法としての修正一条
 15-1 共通の歴史
 15-2 刑事手続と修正一条の権利
 15-3 修正一条の果たす新たな役割

PART4 新技術 法はいかに変化していく技術に対応すべきか

第16章 愛国者法を廃止すればプライバシーは回復するか
ほか

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

魚京童!

23
一発でかいのが来るとみんなビビッて権利が後退する。よくないよね。でもさ、単純な死者数とかで比べるともっと広く薄くあるのがやばいんだよね。でもみんな見た目に騙される。見た目も重要だけどさ、それに隠れてる方に気づくようになりたい。そして、警察権含め生まれたからその国の慣習に従わなければならないのは間違ってると思う。そこがホッブスを読まなければならないところだと思う。デカルトだったか誰かが言ってた。選択する権利がある。でもそうやって声高に自分の権利を要求して義務を果たさない人もいるからって言い争いになるんだ。2019/06/04

はるわか

21
プライバシーは単なる個人的権利ではない。社会的価値としてのプライバシー。2017/07/23

ケニオミ

13
今年に入って「超監視社会」を読んで、スマホをはじめとする文明の利器を利用することでプライバシーを好き好んで手渡している現実に唖然としました。それでFACEBOOKをやめました。そして今度は、本書を読んで、アメリカの法制度がプライバシーをいかに守っているのか、いや、守っていないかを学びました。いずれ政府が個々人の個人情報を集め、逮捕されても、なぜ逮捕されたかすら分からず、教えてもくれない、カフカの『城』のような世界が現実化しそうです。スマホでゲームをする暇があったら、法整備を考えた方がずっとよさそうです。2017/07/28

sk

7
国家の安全保障と秤にかけられて劣後しがちだったプライバシー。本書はプライバシー保護の必要性を訴える。法律学の本。2019/05/16

GASHOW

5
テロ等準備罪で日本がゆれているときに海外メディアの警鐘があったが、日本人のほとんどがピンときていない。テロの対策の天秤にプライバシーがそこなわれることが仕方がないという世論があるが。テロ防止に監視は意味がない。国民のプライバシーがうばわれることで社会が乱れる。米国は日本よりも先にいっているので実例などが面白かった。修正四条はオンラインデータの保護しないので、プライバシーをほごしたいならば社会との隔絶しないといけないようだ。2017/07/10

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