筑摩選書<br> うつ病治療の基礎知識

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筑摩選書
うつ病治療の基礎知識

  • 著者名:加藤忠史【著者】
  • 価格 ¥1,595(本体¥1,450)
  • 筑摩書房(2021/12発売)
  • ポイント 14pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784480015914

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内容説明

患者数の多さと社会生活への影響の深刻さにおいて、「うつ病」は現代を代表する病である。だが、これほど認知されているにもかかわらず、病気の性格と対処方法が多様であるため、関係者を戸惑わせてきた。本書は、最新の研究成果をもとに病の全体像を描きながら、治療について最低限知っておきたい情報をバランスよく網羅したものである。うつ病に直面した時のまたとないガイドとしてお使いいただきたい。

目次

はじめに
1 うつ病とは何か
社会的影響の大きな病気
うつ状態はさまざまな原因によっておこる
うつ状態をひきおこす精神疾患もたくさんある
大うつ病性障害=うつ病
コラム1 DSMの意義
2 うつ病の診断
うつ病の症状
必須症状項目
身体症状
精神症状
著しい苦痛と社会的、職業的な障害
身体疾患と薬剤性の場合の除外
うつ状態をひきおこす身体の病気
うつ状態をひきおこす薬
死別反応との鑑別
他の精神疾患との鑑別
双極性障害(躁うつ病)との鑑別
うつ病の診断基準を満たさない場合
気分変調性障害=持続性抑うつ病性障害
適応障害
「健康」という診断名はない
3 うつ病の分類
なぜうつ病をさらに細かく分類するのか
メランコリー型
非定型
季節性
混合性
不安による苦痛を伴うもの
精神病性
緊張病性
軽症
周産期の発症
DSM分類に載っていないけれども注意すべきタイプのうつ病
うつ病分類の現状
コラム2 ディメンション診断
コラム3 DSMに関する議論
コラム4 DSM‐5のうつ病と双極性障害に関する主な変更点
4 うつ病の治療
うつ病の治療ガイドライン
診断から治療計画の策定
治療の枠組み
治療の概要
軽症のうつ病
中等症のうつ病、重症で精神病性の特徴を伴わないうつ病
中等症、重症うつ病の薬物療法について
ベンゾジアゼピン系の薬を使う場合
増強療法・併用療法
精神病性うつ病
緊張病症状を伴う場合
軽症なほど治療が難しいうつ病
5 うつ病の原因
セロトニンの役割
ドーパミン
扁桃体とうつ病に特徴的な認知
遺伝環境相互作用
養育環境とストレス反応
炎症
6 治療に用いる薬
抗うつ薬
三環系抗うつ薬
その他の古いタイプの抗うつ薬
SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)
その他の新しいタイプの抗うつ薬
抗うつ薬の使い分け
抗精神病薬
気分安定薬
リチウムの注意点
抗不安薬
睡眠薬を使う前に
眠りを阻害する要因の確認
睡眠薬
ベンゾジアゼピン系の睡眠薬の副作用
その他の睡眠薬と不眠治療
精神刺激薬
漢方薬
現在の薬の問題点
新薬の臨床試験の困難
コラム5 保険適用
7 修正電気けいれん療法など
修正電気けいれん療法
反復性経頭蓋磁気刺激(rTMS)
光療法
脳深部刺激(DBS)
8 双極性障害の診療
うつ病の人が双極性障害という病気を知っておくことの必要性
双極性障害の治療ガイドライン
双極性障害の診断
双極性障害の治療を行う場所
エビデンスと経験
双極性障害の大うつ病エピソード(双極性うつ病)
躁状態
非定型抗精神病薬の抗躁効果
定型抗精神病薬の抗躁効果
その他
双極Ⅱ型障害
急速交代型
妊娠・出産
維持療法
心理社会的治療
9 ガイドラインの理想と現実
コラム6 良い医師とは?
10 心理・社会的治療法
心理社会的治療の概要
どこで誰が行うのか
副作用
認知行動療法
対人関係療法
対人関係社会リズム療法
リワークプログラム
生活上の注意点
11 いわゆる〝新型うつ〟への対処法
〝新型うつ〟とは何か
誤解によるケース
悪意によるケース
典型的なケースとは
〝新型うつ〟の構図
日本うつ病学会の見解
〝新型うつ〟問題への処方箋
検査法
12 良い主治医の見つけ方
医療の仕組み
スーパードクターはいるのか
病院を選ぶ
診察
良い医師をどう見分けるか
良い主治医の見つけ方
おわりに
参考文献

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

くろまによん

10
ガイドラインに沿ったわかりやすい解説。うつ病の分類や、分類ごとの治療法、いわゆる「新型うつ」がうつなのか否かなど、きちんと言及されていた。2014/05/14

くさてる

9
「最新の研究成果をもとに病の全体像を描きながら、治療について最低限知っておきたい情報をバランスよく網羅したもの」という紹介文そのままの内容。バランス良く落ちついた文章ながら無味乾燥ではなく読みやすく分かりやすい書きかたなので、うつ病に関して知りたいひとにはとても良い本だと思います。2014/07/19

izumone

5
『「基礎」を「網羅」する』を「過不足なく」,「バランス良く」,「素人にもわかりやすく」実現している,と思う。専門でない人がまずはじめに読むべき本ではないかな。この後で,それぞれ興味のある方向へ広げればいい。2014/05/26

ゆうろ

4
『社会生活に甚大な影響を与える精神疾患、「うつ病」。診断と治療について関係者が知っておくべき知識を網羅した本書は、現在望みうる最良のガイドである。』という紹介文にあるように、現在のうつ病の分類、治療法についてコンパクトにまとまっている。2020/09/20

はら坊

3
DSM-5にもとづいて、うつ病の分類、治療法、出版当時に時事問題となっていた“新型うつ”、ドクターショッピングなどに関する解説がされている。 特に、分類と治療薬に関する話に詳しい。 また、著者の専門が双極性障害であるため、うつ病と誤認されやすい同障害についての説明も明快にされている。 同著者の『双極性障害』(ちくま新書)と同様に、わかりやすい文章で記されているため、基礎知識がなくても読み進められる。 うつ病など心身の不調に苦しんでいる方、その関係者の方にはぜひご一読いただきたい書である。2022/04/27

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