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内容説明
「死は絶対に経験できないけれど、だからこそ人は死に近づく経験にひかれている」と語る実力派作家と、「ぼくは臆病で、死ぬのがすごく恐いんですよ」と告白する人気漫画家による、異色のバラエティー対談。「メメントモリ」(死を忘れるな)という思いを基調に、ざっくばらんに世相を斬る。日本人の良識が壊れて、親殺し、子殺しがニュースに流れつづける現在、私たちはどのように未来を考えればいいのだろうか? なぜ人は死に近づきたがるのだろうか? 一方で、ケータイ、病気、子育て、ニート、韓流ブーム、セクハラ、ボランティア、お金、名誉、徳、さらには政治家、戦争、ナショナリズム……身のまわりのヒト、モノ、コトに対する二人の温かくて冷徹な言葉が、思わぬところで読者の視野を大きく広げてくれる。(イラスト、漫画:しりあがり寿)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
メタボン
22
☆☆☆ 居酒屋でダラダラとゆるい話で盛り上がる、そんなイメージの対談集。軽く読了。2021/02/19
猫丸
11
暇つぶし本。何も製版、印刷して売るまでしなくても、と言った内容。しりあがり氏は生活の便利化が人間の退化を招くのでは、と危惧するが、島田氏は問題が起これば解決策は必然的に出てくるもんだと楽観的。僕自身は心配性のしりあがり氏に近いメンタリティではあるものの、技術の発展の桎梏とならぬように心がけている感じ。それにしても自宅の書棚(という名の雑然地帯)から発掘した本なのだが、買った覚えはないし、書店でパラパラ見てもまず買わないだろうし、なぜここにあるのか不明である。まあ、ときどきそんなこともあるのかもしれない。2018/11/07
ceskepivo
7
軽いのりの漫談。死体をアクリル樹脂で固め、輪切りにして、プラスティックのカードのようにする、それを一周忌とか七回忌に持ち寄って生前の姿がよみがえるというのは、ブラックジョーク。しりあがり氏の「父親は周りが家族一緒に「父」を作っていく」という考えは共感する。2014/10/08
てふてふこ
6
初刊2006年。死ぬ事が怖い、と訴えるしりあがりさんだが、島田さんとの対話・地震の捉え方が「やっぱ震災前だなぁ・・・」と思った。しかし面白い。漫画は流石。2012/11/10
かっぱ
3
いやぁ、お2人ともジョークの中に真実を隠し持ちながらも、笑える内容ばかりで楽しかった。島田氏の親戚の数学者の認められたい願望の話が特にツボ。彼の論文を理解できるのは世界に10人ぐらいで、日本ではたったの3人。しかも、それは知り合いばかりという。その彼が路上ライブをやっている若者の周囲に15人ほど人が集まっているのを見て、嫉妬したそうな。また、「心配性」のしりあがり氏はあとがきで、「大地震」を筆頭にして列挙された数ある心配事が、「はるか沖から巨大な津波の高い高い水の壁が、静かにゆっくりと近づいてきているよう2012/01/06