内容説明
自粛警察ユーチューバー、デビュー40年目のミュージシャン、名指しされた夜の街......
2020年から2021年。感染と祭典の街に生まれた31の物語。聴け、東京の声を――
●上京して「正義」の自粛警察活動に勤しんだ、ユーチューバーの知られざる過去。
●新型コロナの感染源と名指しされた「夜の街」、取り戻すために動き出した人々の想い。
●東京オリンピック、最前線で感染症対策にあたった専門家たちが考えたこと。
●薬物依存症の患者が直面した危機。やがて彼は小説を書きはじめる...
●「鬼滅の刃」だけが救いになった女性が選んだ道。
●行政が機能不全に陥る中で、訪問診療で新型コロナ患者を救おうとした医師。
●休業を選んだバーが、それでも営業をあきらめない理由。
●デビュー40年目の佐野元春が武道館ライブで歌う、「今までの君はまちがいじゃない」。
困難に直面しても、人は集い、そして歩き始める――
雑誌、ウェブなど様々な場で活躍中のノンフィクションライターが街を歩き、耳を澄まし、描き出す2020~2021年の東京。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヒデミン@もも
41
石戸論さん初読み。こんな物語がこの2年間には東京のどこかで実際にあっただろうと思わされる。淡々と進む物語に著者が記者だったことがわかる。夢から醒めやすい日本人、この悪夢からも早く目醒めて、新しい夢に向かって歩いていこう。2023/03/20
読特
35
役に立つ、知らねばならぬ、切羽詰まった情報があるわけではない。読む意味を考えても進まない。ぶらっと散歩に出かけるような読書。気分転換と心の運動のため。・・疫病が襲う。緊急事態宣言。繰り返される自粛。オリパラ。延期された2020。反対運動の中、開催された2021。東京に生きるそれぞれの人の日常。どう狂わされ、どう対処したのか。点と点。一つ一つの記事につながりはない。何かに誘導されているわけでもない。取材はサッカー。記者は流れて来たネタを蹴る。読者はパスされた物語を読む。・・読了。散歩から家に帰ってきた。2022/05/07
makoto018
12
年末だというのにインフルで寝込む。たまたまいい本があったので、2020〜2021年コロナ禍の日々を思い出しながら読む。東京と地方都市の違いはあれど空気感は同じだった。緊急事態宣言、人流、夜の街関連、ライブハウス、ホストクラブ、自粛警察。コロナ対策や五輪を巡る、政権与党や都知事の動きも見据えながら、著者は東京の街をそして人の話をじっくり聞いていく。潮が引いたから浜の様子や生き物がよく見えるように、コロナ禍で街から人が減り、経済的にも苦しくなったことで見えてくるものがある。登場人物への寄り添う目線に救われる。2024/12/28
おっとー
11
徹底的な現場目線で、コロナとオリンピックにまつわるオルタナティブな視線を提供する。ステイホームやテレワークが叫ばれる昨今だが、帰る家がありそこで仕事ができるのは幸せな部類で、それができない人々はたくさんいる。感染の温床とされた夜の街では、偏見と批判を避けるために行政とお店が手を組んで地道な感染対策が行われている。開催の是非すら問われたオリンピック、パラリンピックも、開催を前向きに捉える関係者がいる。コロナの危機感を声高に煽り、人間の動きを制御しようとする人々にはこうした多様な現実への想像力が欠如している。2022/02/08
DEE
9
コロナとオリンピックに振り回された人々。様々な職種、業界で働いてきた人たちが、この状況下で何を考えどんなことをしているのか。今でも影響は収まってはいないし、アホみたいに第○波だの変異株だのと騒ぎ続けているだけで経済活動への舵きりも中途半端なままだけど、二年前は今から思い返してもほんと狂った年だったなと改めて思った。今この瞬間のリアルな声だと思う。2022/03/29
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