集英社インターナショナル<br> 目の見えない白鳥さんとアートを見にいく

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集英社インターナショナル
目の見えない白鳥さんとアートを見にいく

  • 著者名:川内有緒【著】
  • 価格 ¥2,079(本体¥1,890)
  • 集英社(2021/11発売)
  • ポイント 18pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784797673999

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内容説明

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全盲の白鳥建二さんは、年に何十回も美術館に通う。「白鳥さんと作品を見るとほんとに楽しいよ!」という友人マイティの一言で、アートを巡る旅が始まった。絵画や仏像、現代美術を前にして会話をしていると、新しい世界の扉がどんどん開き、それまで見えていなかったことが見えてきた。アートの意味、生きること、障害を持つこと、一緒に笑うこと。白鳥さんとアートを旅して、見えてきたことの物語。

目次

はじめに
第1章 そこに美術館があったから
第2章 マッサージ屋とレオナルド・ダ・ヴィンチの意外な共通点
第3章 宇宙の星だって抗えないもの
第4章 ビルと飛行機、どこでもない風景
第5章 湖に見える原っぱってなんだ
第6章 鬼の目に涙は光る
第7章 荒野をゆく人々
第8章 読み返すことのない日記
第9章 みんなどこへ行った?
第10章 自宅発、オルセー美術館ゆき
第11章 ただ夢を見るために
第12章 白い鳥がいる湖
エピローグ
みんなでアートを見る
謝辞
掲載作品クレジット

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

trazom

201
全盲の白鳥健二さんを美術館に案内することを通じて、美術鑑賞における「見る」ことの意味を突き詰める芸術論が展開されるのかと期待して読み始める。確かに、白鳥さんに説明することで、自分の目の解像度が上がるとともに、助ける・助けられるという単純な関係でなく、視覚障害者と鑑賞者の間に「対等な対話」が共有されたのは素晴らしいと思う。しかし、本書の物語は、障害者への行き過ぎた気遣いの弊害、優性思想、朝鮮人労働者、能力主義の冷たさなどに拡散してゆき、散漫な印象を拭えない。著者を含めた登場人物全ての善性には心打たれるが…。2022/11/16

tenori

148
ノンフィクション。盲人が美術館でアートを「見る」とは?大方の人がそう思い、まずは興味が先に立つ。たぶんそれで良いのだ。白鳥さん的には。白鳥さんは美術館の学芸員やキュレーター、友人、時にはワークショップで他人の視点でアートを解説してもらうことを繰り返す。白鳥さんは美術館という空間や雰囲気、そして人とのコミュニケーションが好きなのだ。そこに盲人か晴眼者かの垣根はない。優性思想、差別、偏見などにも飄々と自分の意見を述べる何とも素敵な方。小川糸さんの「とわの庭」と合わせて読むことを個人的にはお薦めしたい。2022/02/22

シナモン

144
白鳥さんと作品を見るということは、会話しながら…ということになるわけで、やはり美術館では静かに鑑賞したいと思ってしまう私は、心が狭いのかなとモヤモヤ。もちろんその辺のマナーあっての話だと思うが「うるさい」と注意を受けた後「美術館はあなたの占有物じゃない」と言い返したかったというところにちょっと違和感を感じた。しかし作品鑑賞に関しては自分自身、作品をよく見ているつもりでも、実はちゃんと見ていなかったのでは…と気づかされた。今度美術館に行くときは、隣に白鳥さんを感じながら丁寧にじっくりと作品を見ていこう。2022/01/10

遥かなる想い

127
全盲の美術鑑賞者白鳥健二さんと 巡る美術館の旅である。本書の各所に掲載される美術作品の写真が 印象的で 素直に楽しい。 白鳥さんと作品を見ると 今まで 見えなかったものが見えてくる…この 感動を丹念に綴っている、そんな本だった。 2022/06/26

mukimi

125
白鳥さんがとても魅力的。全盲の自分をありのまま受け入れ(その自分しか知らないから当然だと彼は言う)多くを期待しない様でいて、盲人がやってないことをやろうと美術館へ電話で何度断られてもアテンドを交渉したり、写真を撮ったり、人生という荒野を白い杖で飄々と歩く。特に肩書きの無かった彼に多くの人が引き寄せられ彼との対話を通して芸術を見直し自己の世界を広げる。全盲者と晴眼者が互いの世界を想像することは難しくとも、芸術を通して対話が生まれる時そこには魔法と呼べる程の交歓があり、人と人が通じ合う可能性に希望を抱かせる。2023/12/14

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