集英社新書<br> インド残酷物語 世界一たくましい民

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集英社新書
インド残酷物語 世界一たくましい民

  • 著者名:池亀彩【著】
  • 価格 ¥968(本体¥880)
  • 集英社(2021/11発売)
  • ポイント 8pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784087211917

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内容説明

世界有数の大国として驀進するインド。その13億人のなかにひそむ、声なき声。残酷なカースト制度や理不尽な変化にひるまず生きる民の強さに、現地で長年研究を続けた気鋭の社会人類学者が迫る!
日本にとって親しみやすい国になったとはいえ、インドに関する著作物は実はあまり多くない。
また、そのテーマは宗教や食文化、芸術などのエキゾチシズムに偏る傾向にあり、近年ではその経済成長にのみ焦点を当てたものが目立つ。
本書は、カーストがもたらす残酷性から目をそらさず、市井の人々の声をすくいあげ、知られざる営みを綴った貴重な記録である。
徹底したリアリティにこだわりつつ、学術的な解説も付した、インドの真の姿を伝える一冊といえる。
この未曾有のコロナ禍において、過酷な状況におけるレジリエンスの重要性があらためて見直されている。
超格差社会にあるインドの人々の生き様こそが、「新しい強さ」を持って生きぬかなければならない現代への示唆となるはず。

目次

はじめに
第一章 純愛とiピル
第二章 水の来ない団地で
第三章 月曜日のグル法廷
第四章 誰が水牛を殺すのか?
第五章 ウーバーとOBC
おわりに

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ゆいまある

118
インドのシリコンバレー、ベンガルールを有するカルナータカ州といえば、インドの中でも民度が高そうな印象がある。カンナダ語話者である人類学者がそのカルナータカ州や隣のタミル・ナードゥ州で行った調査に基づくエッセイ。ヒンディー至上主義者蔓延る北部(私の偏見)よりマシなのかもしれないが、全然民度高くない。差別はやはり酷いし、女性は乱暴されるし殺される。社会保障はほぼなく、コネや親族の支えがないと生きていけない。その社会の中でもカーストの枠を超えてよりよい生き方を目指す人々にスポットが当てられ希望が持てる内容。2023/01/01

ぶち

100
インドのカルナータカ州バンガロールには何度か出張したことがあります。デカン高原という高地のため比較的涼しく、IT産業の中心地でもあるため最もインドらしくないインドと呼ばれています。そこではカースト制度はなくなったとも言われています。しかし、でも、外国人の目にも歴然として差別は映ってしまいますし、アンタッチャブル(不可触民)と呼ばれる最下層の貧困層は街のいたるところで目にします。本書は、そんな地で実際に暮らしている個々の人々を描き出すことで、そんな残酷な状況でもたくましく生きる人々のパワーを伝えてくれます。2023/01/31

キムチ27

71
拾い物!とてつもない面白さ。新進気鋭の学者がインドを解明とあるだけに、言葉は裏切っていなかった。世界的に注目を浴びるモディのかじ取り・英スナク氏の国政手腕・国際市場上位に有るIT産業、そして来年には中国を抜いて世界一位の人口になると言われている印。私の苔むす知識~カースト制度と不可触民、古代文明位。だが【出生選別と消えた一億人の女性・男児願望と選別・固定化した格差・社会保障制度以前の社会で頼るモノは身内家族・・おのづと住み分けが始まるフォーマル インフォーマルセクタ―・グル、村落バンチャーヤトの存在意義】2022/12/04

ちゃとら

52
【図書館本】映画のRRRを観た時に、読メでこの本を紹介していた人がいて読んでみた。今や世界経済を牽引している企業のほとんどのトップにインド人がいる時代。なのに根深いカーストや男尊女卑、ギャップに驚いた作品でした。2023/08/10

たまきら

42
著者は学術書ではない、というけれど、そしてその通りかもしれないけれど、何冊もの学術書よりもカルナータカ州エリアのインドを深く知ることが出来ました。インドのリアルを紹介しながらも、時に心底その構造に幻滅しながらも、著者の出会った人々への眼は温かく、それを反映するかのように出会った人々もあたたかい。後書きですっかりなじみになった方々の近況を読みながら、教育の重要性をかみしめました。問題だらけの混沌としたこの世界ですが、助け合いぶつかりあいながら生きていきたい…。素晴らしい一冊です。読み友さんから。2023/01/16

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