新しい主人公の作り方

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新しい主人公の作り方

  • ISBN:9784845913039

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内容説明

芸術と創造、性の目覚めと心の表現……
おとぎ話、神話、心理学的アプローチによって、物語創作に欠かせない「女性性(ヒロイン)」に迫り、人間の生き方、あり方を浮き彫りにする構成とキャラクターの作り方を解説するセオリーが登場!

ストーリーテラーにとって普遍的で万能なロードマップと言われるジョーゼフ・キャンベルの『千の顔をもつ英雄』は、物語には「英雄の旅」というパターンがあると指摘した。「英雄の旅」はわたしたちの人生にも当てはまり、実際の人生の転機を乗り切るためのガイドブックとしても多くの人に重宝されてきた。
が、ほんとうに、すべての物語は「英雄の旅」で語り尽くせるだろうか。
本書では、ヒーローの物語(英雄の旅)にも触れながら、ヒーローとは対をなし、かつ隷属的ではないアーキタイプとして「ヴァージン」を提案している。ヴァージンとはいわゆる「女性」のことではなく「男性」にも当てはまるし、「旅」は言葉通りの旅である必要はなく、内面的な成長プロセス注目し、パターンを独自に定義している。

物語において、主人公の魂の成長、自己実現の旅の軌跡をどう描くかが最も重要な要素である。ストーリーを前進させるために、「ヒーロー」が「ゴールに向かっていること」が常に念頭に置かれるのに対し、「ヴァージン」では「本当の自分になれているかどうか」が常に問われる。私はどう感じているか、自分に素直になれているか、正直になっているか、それがストーリーの軸になり、物語を動かしていく。本書では、前半ではユング心理学をふまえ、コンプレックスの仕組み、「影」がキャラクターに与える影響などアーキタイプの基本的な考え方を説明し、ヴァージン、娼婦、母/女神、愛人/王、ファム・ファタール、暴君、老婆、魔女、守銭奴など多数のアーキタイプそれぞれが物語上で担う役割やテーマを考えていく。後半ではヒーローと比較しながら、革新的なシナリオを生むための創作法を解き明かし、シンボリズムを有効に使うための原則を説いていく。

「男らしさ」「女らしさ」が問われるいまの時代こそ、映画鑑賞における新たな視点をもたらすとともに、映画やテレビドラマの脚本家、魅力的な主人公を書きたい小説家やゲーム作家、アニメーターにも役立つ一冊と言えるだろう。

■『神話の法則』著者、C・ボグラーによる序文
■ヒット映画の豊富なストーリーテンプレート、創作に使えるワークシート付き

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

磁石

10
ヒーローに代わる女性型のアーキタイプ、ヴァージン。ヒロインではなくそのような名にしたのは、付属物という感覚を払拭するためで、まさにヒーローとは違うあり方を持っている。その目的は自己実現、内面に向かい育みソレと世界とを調和させること。この手の物語のロードマップを整備してくれたことは、非常にありがたいと思う。ただ、ヴァージンの目的には「美」というものはあっても、「善悪」とか「真理」がその射程に入っていない気がしてならない。物語で人を感動させるという点においては、物足りなさを感じてしまう。2015/01/13

蒼1228

4
図書館。よくある英雄物語ではなく、女性的な主人公の物語の型もあるという本。実際の映画の展開を元に解説。こういうのもあるのね、と参考にぱらぱら読む。似た系統のストーリーを書きたい場合にはいいのかな。2021/06/02

AQL

3
「ヒーロー」に対して(ヒロインではなく)「ヴァージン」というキャラクターを、さらに「旅(自己犠牲)」に対して「王国(自己実現)」というストーリーを設定したのは一頭地を抜く卓見。2015/08/04

キツノカ

2
遠い空の向こうにという最近見た映画が、この本に書かれている類型に一致していて興味深く読めた。2013/04/04

ホワン

1
面白かった、最近の創作では男性主人公でもボグラーの ヒーロー型より、この本の内面成長重視のヴァージン型の方が多い。2025/03/25

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