内容説明
キヤノングループのお荷物子会社だったキヤノン電子はいかにして、宇宙企業へと変貌したのか。酒巻氏が社長として赴任してから「会社のアカスリ」で徹底したムダを省き高収益企業へと生まれ変わり、そこで得たお金で人工衛星とロケットという宇宙企業へと参入する。20年の経営改革の全貌をストーリー形式で紹介する。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
tetsubun1000mg
17
表紙を見るとドラマのタイトルのようだが、キャノン本社の常務だった酒巻氏が、子会社の社長に追いやられたのがスタートだった。 事実上の左遷だったのだろう。 しかし酒巻氏は腐らずに、赤字子会社の改善策を具体的に提案する。2年目には人事に手を入れて、実力主義で若い社員を戦力化していって、ついに黒字化・高収益体質に改善してしまう。 まるで「倍返し」のドラマのようで面白い。 ついには全くの新規事業として、衛星を打ち上げて地球表面の画像を送信するサービスを始めてしまう。 痛快なストーリーだが、実話だというのに恐れ入る。2022/02/16
JUN
8
「自分の立場や役割を自覚し、何事も自ら進んで行い、自分のことは自分で管理する。」ことが大事。2025/05/16
にしやん
7
酒巻氏がどのようにキャノン電子を再建したか、一番基本となる人材から将来を予想した戦略まで三人称で書かれてます。参考になる部分が多く感心し、その倍ぐらい三人称での自慢話(○○は酒井の慧眼に感心した的な)があることに舌を巻きました。2022/07/17
いざなぎのみこと
7
ビルゲイツの誘いを断った男が秩父に左遷させてから、宇宙に進出するまでに会社を再建するサクセスストーリーを綴った一冊。トップで組織はこうも変わるのだなぁと感心させられました。目標を立てる、経営陣を引き締める、干されていた人を拾い上げる、当たり前のことですが、それを実践することの難しさ。実践できるからこそ宇宙にまで乗り出せる会社に再建できたのでしょうね。秩父の花火大会がまた開かれることをお祈りしております。2022/07/02
hiropon181
5
新年初読みから沁み入りました。いかに停滞した組織を再び輝かせるか、夢を持って新規事業に取り組んでいくか。大きく規模感や立場は違えど、子会社というのは親会社が二流、三流を送り込むとあっという間にダメになるのだ、という下りにはズキリ。本質的には昭和生まれの経営者本、好き嫌いあれど、そこには今も活かせる学びがあると自分は感じます。2022/01/01