内容説明
リーダーの実践ツールを英国演出家が伝授
ディレクターとして振る舞うとき、何が求められるのか？
英国を代表する舞台演出家のケイティ・ミッチェルが、作品づくりのプロセスにおける必須事項をすべて網羅し、その仕事(クラフト)の一部始終をわかりやすく解説してゆくガイドブック。「事前準備～稽古～本番～公演後」と段階を踏んで語られてゆく４部立ての14章からなり、章(チャプター)ごとに要点(サマリー)がまとめられています。
経験に裏打ちされた演出術をはじめ、俳優や制作チームとの協働作業の秘訣や、｢ファクト、クエスチョン、イベント」など戯曲を読みこむ際に使える実践ツールの数々をもれなく伝授。
〈ネガティブな感情にとらわれそうだと感じたら、コーヒーブレイクをとりましょう〉と、ハラスメントに配慮し、気丈に振る舞うための「黄金ルール」もひとつひとつ丁寧に解説。
舞台演出家の演出という技術にフォーカスをあてた実用書として、欧米の演劇学校における教科書の定番。演出家志望者はもちろん、演出家の思考法を知りたい人（俳優、制作スタッフ、観客）にも有意義な一冊です。
コーチングやチームディレクションの極意も語られており、ビジネスパーソンにも気づきを与えてくれます。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Go Extreme
2
リハーサルまでの準備：戯曲の第一印象をまとめる シーンごとの情報を整理する 戯曲の大きなテーマを調べる 戯曲中のアクションの分析 登場人物（役）を深める クリエイティブチームと関係を築く 俳優の選定とリハーサルの出発点を模索する リハーサル環境の準備 リハーサル：稽古はじめの数日 戯曲の世界観を創りあげる 戯曲のシーンの稽古 劇場入りと公演：舞台稽古・テクニカルとドレスリハーサル 公演・プレビューと本公演 本書の背景と出典：この本で記したスキルの習得について2021/04/25
がっちゃん
1
戯曲について考え始める瞬間から公演が終了するまでを網羅した、みっちり活字が詰まった一冊。ファクト、クエスチョン、イベント、ノート。2021/08/09
阿部
0
演出家がすべき仕事を、かなり細かく、論理一貫して書かれている有意義な本。稽古開始前の作業について半分近くのページを割いているのがよい。膨大で緻密な準備と、求められる気丈さ・冷静さにクラクラするけどここに書かれたポイントをよく理解して作品をつくれば一定の強度が生まれるんだろうという信頼ができる。「上演」の構造を解き明かす本にもなっている。久しぶりに戯曲を読み込んでみたくなった。2024/01/24
