現代語訳 暗黒日記―昭和十七年十二月~昭和二十年五月

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現代語訳 暗黒日記―昭和十七年十二月~昭和二十年五月

  • 著者名:清沢洌【著】/丹羽宇一郎【編集・解説】
  • 価格 ¥2,200(本体¥2,000)
  • 東洋経済新報社(2021/12発売)
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  • ISBN:9784492062203

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内容説明

大東亜戦争は非常なる興亡の大戦争である。筆を持つ者が、後世のために、何らかの筆跡を残すことは、その義務である。すなわち書いたことのない日記をここに始める。将来、大東亜外交史の資料とするためである。神よ、日本を救え。
昭和十八年十月一日 清沢 洌

***

日本人はもう二度と戦争などするはずがない。恐らく日本人のほとんどはそう考えているだろう。しかし、その確信は極めて頼りない、むしろ大きな勘違いであることは、清沢洌の『暗黒日記』を読めばわかるはずだ。

清沢の日記に綴られている戦時下の日本人とその社会の姿は、驚くほど現代と似ている。まるで我々の現在のありさまが清沢に見透かされていたかのようだ。相手変われど主変わらずというが、何かひとつきっかけを得たならば、日本人はたちどころに、戦前のような好戦的な国民になってしまいかねないという危惧さえ覚えずにはいられない。

戦争というのは、どこまで行っても手段のはずだ。それも非常手段だ。目的ではない。にもかかわらず、戦時日本では、いつの間にか手段であるはずの戦争が目的となってしまった。

なぜ我々は、いや権力者は、殺し合いの決断をしてしまったのか。なぜ我々は戦争国、神の国日本への橋を渡ってしまったのか。なぜ300万人を超える犠牲者を出すまで戦争をやめることができなかったのか。そして、今の我々日本人のどこがその後変わったと言うのだろうか。問題の答えも、また『暗黒日記』の中にある。――はじめにより

目次

はじめに
序 章 暗黒日記の前史
第1章 昭和十七年十二月~昭和十八年十二月
──日本はなぜ勝ち目のない戦争に突っ込んでいったのか
第2章 昭和十九年一月~九月
──政治の強権化と情報統制に逆らえないメディア
第3章 昭和十九年十月~昭和二十年五月
──現実とかけはなれた銃後の国民意識
終 章 暗黒日記の後の日本
おわりに

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ロビン

20
リベラルな主張を貫いたジャーナリスト、外交・政治評論家であった清沢冽が、太平洋戦争中にひそかに書き溜めていた日記の現代語訳に、伊藤忠商事の社長・会長を務めた丹羽宇一郎が解説を付した一書。銃後における物資の窮乏、大本営発表と軍部の言うことを批判なしに報道するメディアのひどさ(徳富蘇峰への批判が多い)、それらを信じてしまう日本人の批判精神の乏しさ、道徳的勇気の弱さ、戦争末期の政府軍部の非科学的な精神主義、愚かな大人たちの始めた戦争のなかで雄々しく死んでいく若い兵士たちを想う涙ー清沢の眼を通して戦争を見る。2022/09/17

どら猫さとっち

9
第二次世界大戦開戦から、終戦の年の5月まで、戦争の最中の世間と民衆の暮らしを、克明にかつ批判を込めて綴った「暗黒日記」。リベラルな自主独立を貫いた外交・政治評論家でジャーナリストの清沢洌の著作を、伊藤忠の社長が蘇らせた。政治の愚かさと恐ろしさを綴り、警鐘を鳴らした彼は、終戦を待たずしてこの世を去った。あれから78年、この日記の意味と尊さを、もう一度受け止め考える必要がある。2023/07/08

Go Extreme

2
暗黒日記の前史 昭和十七年十二月~昭和十八年十二月 ─日本はなぜ勝ち目のない戦争に突っ込んでいったのか 昭和十九年一月~九月 ─政治の強権化と情報統制に逆らえないメディア 昭和十九年十月~昭和二十年五月 ─現実とかけはなれた銃後の国民意識 暗黒日記の後の日本2022/01/06

YUSUKE

1
歴史を振り返ると我々の歴史は、戦争の繰り返しだった事がよくわかる。この人間の戦う本能を克服する事は、きっと難しいだろう。しかし戦争の悲惨さ人間の戦う本能を学ぶ事は出来る。この本もそんな一冊であろう。そろそろ殺し合いの戦争でなく、国家間の話し合いや、ルールを決めたスポーツ(eスポーツも良いかも)などで決着をつけても良いのではないだろうか。殺し合うよりよっぽど良いと思うのだが…。そんな事が思い浮かんだ本でした。いま読むべき一冊と思います。過去を知ることが出来る読書に感謝。2023/03/05

はるか

0
某所で紹介していた人がいて、時勢柄手に取る。恥ずかしながら戦中にこのような人がいたと今まで知らなかった。幅広い人脈を通じ、当時の国の上層部の分裂、形式主義、無責任さ、国民の無知と無関心さをとらえ、記録している。2023/01/01

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